ライム(Lime)の香りと作用・おすすめの使い方
甘さ控えめの大人向けといえば、ベルガモット、グレープフルーツでしょうか?
苦みを含む甘い香りは心身のリフレッシュに最適。
ジンジャエールやコーラ飲料の香りづけにも使われているのよ。
こんな疑問にセラピストがお答えします
- ライムからとれる精油がある?どんな香りなの?
- ライムに期待できる効果・効能は?
- 光毒性がある?ライム精油で気をつけることを教えて
- ライムと相性の良い精油は?ブレンドのコツが知りたい
目次よりお好きな項目からご覧いただくこともできます。
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ミカン科の中ではもっとも原始的な種であるライム
元々はアジア原産の植物ですが、現在ではイタリアをはじめさまざまな国で栽培されているライム。
ライムにはたくさん種類がありますが、いずれも果実は普通5㎝ほどで実の多くは食用にされます。
外見はレモンに似ているものの、レモンよりも緑がかっており、レモンが卵型なのに対しライムは球形。
果皮を圧搾して取った精油はレモンよりもずっと軽やかな印象で、甘みもレモンよりも明らかに強い芳香を放ちます。
なお、大航海時代、ライムを載せて運ぶ船は「ライムジューサー」と呼ばれました。
乗組員たちがライムに含まれるビタミンCで壊血病を予防したためです。
メモ
ライムはムーア人によってアジアからヨーロッパに伝えられた後、大航海時代にアメリカに運ばれた果物。
当時は、乳酸発酵させた酢漬けのキャベツ(ザワークラウト)とともに貴重なビタミンCの補給源とされていました。
イギリス海軍の水兵の愛称「ライミーズ」もまたライムの名にちなんだものです。
また、独特の苦みがある芳香からコーラ飲料やジンジャエールの香りづけに使用されるほか、香水にも広く使われています。
他に芳香がベルガモットに似たライムスイート(C.limettioides)の精油も入手できます。
参考
壊血病(カイケツビョウ)
ビタミンCの欠乏によって生じる病気です。
脱力や体重減少、筋肉痛などの症状が現れます。
大航海時代は太洋を航海する船中でよく発症し、致死的であることから恐れられました。
苦みのあるフレッシュかつシャープなライム
レモンより芳香が高く、鋭い苦みの中にほんのりした甘さを持っています。
疲れた心を明るく元気づけたり、脂性肌をすっきりさせたりと心身ともにリフレッシュさせてくれる香りです。
冷たさを感じさせるライムは、ブレンドに加えるとクールでおしゃれな印象を与えます。
ライム精油がもつ働きとは?
苦みを含んだ柑橘系の爽やかな香りが心を元気づけ、集中力を高めます。
他の柑橘系と同様に食欲を刺激し、消化を助ける作用もあります。
学名:Citrus aurantifolia(キトゥルス アウランティフォリア)
科名:ミカン科
主な産地:イタリア、西インド諸島 など
抽出部位:果皮
抽出方法:果皮の圧搾法、水蒸気蒸留法
精油の色:無色
主な成分(目安):
モノテルペン炭化水素類 88.7%
(リモネン 76.8% β-ピネン 5.7% パラシメン 3.9% α-ピネン)
アルデヒド類 3.1%
(ゲラニアール)
その他 8.2%
※精油の含有成分や割合は、産地や気候などにより異なります。
心を元気づけリフレッシュさせるライム
心を刺激し活気づける作用がとても強く、疲れた気分をリフレッシュし明るく高揚させる効果があります。
特に、感情が鈍くなってしまったとき、不安や気分が沈んでしまうときに適しています。
やる気が出ない日の芳香浴レシピ
リフレッシュ効果の高いレモングラスやライムに、中枢神経を刺激するローズマリーを組み合わせたレシピです。
気分をリフレッシュさせ集中力を高めます。
- ライム 2滴
- レモングラス 2滴
- ローズマリー・シネオール 1滴
利用方法:芳香浴法、ルームフレッシュナー など
レモングラス、ローズマリーの詳細については下記をご参照ください。
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ライム精油は呼吸器系・消化器系の不調に役立つ
ライムは風邪の諸症状の改善と食欲増進に効果を発揮します。
呼吸器系の痛みや炎症、風邪などの感染症に伴う発熱を緩和するのに役立つほか、咳を鎮めたり免疫力を高め感染症を抑制するよう働きかけます。
また、消化液の分泌を促し食欲を増進させる働きがありますので、病後の回復にも役立ちます。
利用方法:芳香浴法、ルームフレッシュナー、吸入法 など
ライムはオイリースキン向きの精油
ライムには収斂作用、強壮作用があり、脂性肌を整えて美しくリフレッシュする作用が期待できます。
肌を引き締めたりすっきりさせたりすることで、皮脂分泌の過剰な脂性肌を整えます。
利用方法:手作り化粧水、フェイシャルスチーム など
柑橘・花の精油と高相性 ブレンドのコツ
香りのタイプ:柑橘系
香りのノート:トップノート
香りの強さ:中
相性のよい精油:イランイラン、ゼラニウム、ネロリ、パルマローザ、ベルガモット、ラベンダー、ローズ など
ライム自体の香りは淡く、他の香りとも合わせやすいためさまざまな精油にブレンドできます。
ライムと同様に「清涼感」や「涼しさ」を感じさせるユーカリやミントなどのハーブ系とのブレンドもおすすめです。
ライム精油に期待される作用
強壮作用
解熱作用
健康回復
抗ウィルス作用
殺菌作用
殺虫作用
収斂作用
食欲増進作用
他
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【必読】アロマテラピーのルール
アロマテラピーを行うにあたっては下記を守りましょう。
アロマテラピーのルール
- 原液を皮膚につけないようにしましょう。
- 精油を飲用しないようにしましょう。
- 精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
- 火気に注意しましょう。
- 子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
- 定期的に使用状況をチェックしましょう。
また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。
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ライム精油の使用にあたり気をつけること
妊娠初期、分娩前後の使用は控えましょう。
圧搾法で得られる精油は光毒性があるため、使用後は直射日光を避ける必要があります。
肌を刺激する恐れがありますので、敏感肌の方は低濃度で使用しましょう。
肌に使いたい場合、光毒性の心配がない水蒸気蒸留法で抽出された精油を選ぶこともできます。
おわりに ライムの香りでクールでおしゃれな空間演出を
苦みのあるフレッシュかつシャープなライムの香り。
無感情になってしまったときや不安、落ち込みに対して、心を元気づけ明るい気分に引き上げてくれます。
高揚作用は前向きな気分をもたらしリフレッシュさせると同時に、集中力を高めるのにも有効。
また、風邪の初期症状など呼吸器系の不調や食欲不振にも効果を発揮します。
清々しいライムの香りを、快適な空間づくり+セルフケアに役立ててみてください。
ライムは芳香浴がメインの方法になると思います。
お手元に精油がそろっていない場合は、ブレンドエッセンシャルオイルが便利です。
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しかしながら、「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」ではありません。
香りを楽しみながら、健康維持・増進、美容を目的にアロマテラピーを取り入れてみてください。
心身の状態が悪い時には速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。