セサミオイル(Sesami oil)の
効果・効能とおすすめの使い方
料理に使う香ばしい香りのごま油とちがって、ほとんど無臭の油の方だけどね。
あ、でも確かに、ごま油って精油の香りを打ち消してしまいそう。
詳しくお伝えしていきましょうね。
こんな疑問にアロマセラピストがお答えします
- スーパーに売ってる食用のごま油、クレンジングに使える?
- オイルプリング?鼻洗浄??ごま油を使ったデトックス方法について教えて。
- セサミオイルをもらったけれど、なにに使えるの?
- えごま油とごま油って同じもの?
- ごま油を使ったスキンケアはニキビの原因になる?
- ごま油がどろっと濁ってきた。使っても大丈夫?
- ごま油は日焼け止めに使える?
- セサミオイルに期待できる効果を教えて。
- セサミオイルはベビーマッサージに使える?
セサミオイルの優れたデトックス効果をいかして、「体の内から健やかな肌」を手に入れてしまいましょう♪
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原料はゴマ科の一年草
1mほどに成長するゴマ科の一年草で、白もしくは紫色の花をつけます。
さやの中の種子がオイルの原料となり、白ゴマから採れるオイルが最高級です。
東インドの熱帯地域が原産で、日本には強壮食品として中国から伝わり、600年代から栽培されてきました。
昔は多くの農家が作っていましたが、手間がかかるために今はほとんどが輸入されるようになりました。
えごま油とごま油(セサミオイル)は全く異なるもの
似た名前を持つ油に「えごま油」があります。
えごま油は、シソ科の一年草「えごま」の種子を搾ってとった油です。
けれど、ゴマはゴマ科、えごまはシソ科と2つは全く異なる植物です。
えごまは、葉は香草として使われ、実は油をとるのに使われます。
ごま油のようにアロマテラピーでキャリアオイルとして用いられることはありません。
えごま油の最大の特徴は、日本人に不足しがちな「オメガ3(α-リノレン酸)」を豊富に含むこと(約60%)。
α-リノレン酸は、体内でエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)に変化します。
エイコサペンタエン酸(EPA):
全身の循環器系(血液・血管)の健康維持に重要。
ドコサヘキサエン酸(DHA):
脳の構成成分として成長期の脳に重要。
えごま油に含まれるオメガ3は過熱に弱いため、サラダやスープなど出来上がった料理や飲み物にそのままかけていただくのが理想です。
良質なえごま油には強い香りはなく、料理にまろやかさとコクをプラスしてくれます。
なお、えごま油は酸化が早いので、早めに使い切れるよう少量ずつ購入しましょう。
肌ヘは化粧品グレードのセサミオイルを使いましょう
ごま油といえば、茶色で香ばしい香りのごま油が思い浮かぶと思います。
とても身近なオイルですが、料理に使う色の濃いごま油はゴマを焙煎してから圧搾したもので、香りが強く、アロマテラピーには向きません。
キャリアオイルとして用いる場合は、化粧用として販売されているセサミオイルか香りが弱く、色の薄い純正の太白油を選びます。
太白油=焙煎せずに生胡麻を絞ったごま油
食用のごま油は毒性物質は取り除かれていますが、ある程度の不純物を残すことで味や風味を味わうことができるようになっています。
食用のごま油を問題なく使える方もいますが、肌に合うかは個人差があります。
食べる分には問題ない不純物も肌へは刺激になるものがあるので、刺激物質が取り除かれた化粧品グレードのものがより安心です。
【アーユルヴェーダに学ぶ】セサミオイルの使い方
息がキレイな人のデトックス習慣「オイルプリング」
水ではなく、オイルでじっくりと口をゆすぐ健康法「オイルプリング」。
ココナッツオイルで行われれるオイルプリングが一般的ですが、元はアーユルヴェーダ発祥のデトックス方法です。
朝起きたての口の中は、想像以上に細菌や毒素が溜まっている状態。
オイルプリングを行うと、毒素の排出を促すほか、免疫力向上、消化促進や味覚向上、口臭・歯周病予防といったさまざまな効果が期待できます。
アーユルヴェーダでは、セサミオイルや食用の太白油(キュアリング済みだとなおよい)を使用します。
オイルプリング
- オイル大さじ1を口に含み、口をゆすぐように口内全体にオイルを行き渡らせます。
- しばらく(5〜15分間)ほど続けて、口の中が軽い感覚になったら終了。
なお、オイルは排水溝には流さず、ティッシュやビニール袋に吐き出してゴミ箱へ捨てましょう。
のどが弱い人にもオイルプリングはおすすめ
キュアリングしたごま油でオイルプリングを行ったら、レモン果汁を加えた水でうがいをしましょう。
私もやっていますが、思った以上にすっきりして気持ちが良いですよ。
そして、もう一つご紹介するのは鼻洗浄(ジャラ・ネーティー)です。
鼻洗浄の終了後、ごま油を綿棒に浸けて鼻腔内に塗っておくと粘膜を保護してくれます。
ひどい花粉症に 鼻洗浄(ジャラ・ネーティー)
鼻洗浄を浸透圧が低い真水で行うと、鼻の粘膜を刺激してしまいます。
体温よりも若干温かい生理食塩水のお湯(0.9% 食塩湯、38~40℃前後)を使用しましょう。
塩小さじ1とお湯をコップの1/3~1/4程度いれ、そのあとちょうどいい温度まで水を加えたらできあがり。
お湯にショウガパウダーやターメリックなどのスパイスを加えると、さらにデトックス効果を高めることができます。
粘膜を保護するため、鼻洗浄後はごま油を綿棒に浸けて鼻腔内に塗っておきましょう。
鼻洗浄の手順
- 小さめの急須など吸口がついた容器に温かい生理食塩水を入れます。
- それを鼻を横に向け上方の鼻腔に差し込み、お湯を注ぎます。
- 反対の鼻孔からお湯が出てきます。
- 後はふっふっと鼻から息とお湯を吐き出しましょう。
継続して取り組みたい方は、専用容器があると便利ですよ。
しっとり&さっぱりをあわせもつセサミオイル
セサミオイルはインドのアーユルヴェーダで使用されるオイルです。
セサモリン、セサモールなどゴマ特有の抗酸化物質のほか、ビタミンEやミネラルが豊富。
体を温め老化を防止し、毒素の排出を促します。
冷え性や腰痛、肩こり、頭皮ケア、リウマチや関節炎などの症状に役立ちます。
セサミオイルに含まれる微量成分は重金属イオンと結合するため、重金属を組織から排出すると考えられています。
トリートメントに用いると、蓄積した脂肪組織から出る多くの有毒物質に対し排出を促します。
こうして毒素の排出を促すことで免疫力を高め、慢性疾患を予防したり、肌の老化を食い止めるよう働きます。
酸化しにくいため、ほかのオイルに混ぜると酸化防止剤としても使用できます。
一度100度に温め、冷ましてから遮光容器で保存・使用する場合もあります。
この前処理(キュアリング)を施すと肌への効果を高めることができます。
セサミオイルは、寒い時期や低温の場所(冷蔵庫など)で保存した場合、油の成分が白く固まって粒状の結晶物が発生したり、白くドロッとした状態になったりすることがあります(凍結現象)。
油の成分が結晶化して流動性がなくなった状態で、品質の異常ではありません。
温かいお部屋などにしばらく置くと自然に元の状態に戻ります。
開封後はキャップをしっかりと閉めて、涼しく暗い場所で保管、2か月以内を目安に使い切るようにしましょう。
学名:Sesamum indicum(セサムム インディクム)
sesamum orientable(セサムム オリエンタレ)
科名:ゴマ科
主な産地:アフリカ、イタリア、インド、中国、南米 など
抽出法:種子を低温圧搾
色:無色~淡黄色
浸透性:やや良い
感触:やや粘性はあるが標準的
香り:ほぼ無臭。
※香りがある焙煎ごま油は使わない。
こんなときに:スキンケア、ヘアケア、痛みの緩和、血流促進、デトックス、ベビーマッサージ
使用期限の目安:開封後、半年から8か月(キュアリング後は2か月)
購入のポイント:茶色のものではなく、薄い黄色の太白油を選ぶ。
保管方法:キャップをしっかりと閉め冷暗所で保管。
主要成分(参考):
オレイン酸42%
リノール酸44%
飽和脂肪酸14%
微量成分(セサモール、フィトステロール、セサミン、セサモリン など)
※主要成分は産地や抽出法により異なります。
キュアリングで抗酸化力UP!
キュアリングとはオイルを加熱処理することです。
通常、加熱するとオイルを酸化させてしまうのですが、セサミオイルは別。
キュアリングを行うことで、さらっとした質感になり、 肌への浸透性の高め、抗酸化物質が増えることでその効果を最大限に発揮できます。
このセサモールには細胞をより活性化させる作用があるといわれています。
キュアリング
- 鍋に必要量のセサミオイルを入れ、調理用温度計で温度を確認しながら弱火で加熱します。
- 90度になったら火を止め、余熱で100度になるまで待ちます。
- 100度を超えた場合は、濡れ布巾の上に鍋を置いて冷やしましょう。
- 冷めたら、煮沸消毒した遮光瓶などの容器に移し替え、冷暗所で保管します。
油は高温になりますので、火の取り扱いには十分に注意して下さい。
キュアリング後は、2ヵ月を目安に使い切るようにしましょう。
なお、メーカーによってキュアリング済みで販売されているものもありますので、購入時に確認してみましょう。
煮沸消毒の方法については、こちらをご参照ください。
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セサミオイルの使い方
トリートメントには、焙煎せずに生胡麻を絞った太白油を用います。
そのまま単品でも使用できますが、やや油っぽく表面い薄い膜が残る感じがあります。
気になる場合は、ホホバオイルやグレープシードオイルなど軽い感触のキャリアオイルとブレンドしましょう。
また、ベビーマッサージに使うこともできるといわれていますが、その場合には弱い肌を刺激しないよう化粧品として販売されているものを選ぶと良いでしょう。
ベビーマッサージはキャリアオイルのみで行いましょう。
赤ちゃんに精油を用いたマッサージ(アロマトリートメント)は行わないでください。
肌なじみの良いオイルであり、ほかのキャリアオイルと同様、クレンジングに使うこともできます。
また、直接の日焼け止め効果はありませんが、セサミオイルに含まれるビタミンEが、ゴマの微量有効成分であるセサミノールなどと結びつくことで、お肌のシミや老化を防ぐ効果があるそう。
「日焼けしにくい肌作り」にスキンケアの最後に取り入れるのもおすすめです。
どのキャリアオイルにもいえることですが、フェイスケアに用いる場合、量が過剰だと毛穴を詰まらせニキビの原因となってしまいます。
顔全体にオイル1~2滴程度がベスト。
クレンジングの場合は洗い流すので大丈夫。
肌を摩擦しないよう適量を用いましょう。
なお、酸化したオイルは肌に刺激を与えてしまいます。
酸化しにくいオイルですが、保管や使用期限には気を配りましょう。
スカルプケアの方法やその際の精油選択について、詳しくはこちらでご紹介しています。
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【必読】アロマテラピーのルール
精油を用いる(アロマテラピーを行う)場合は下記を守りましょう。
アロマテラピーのルール
- 原液を皮膚につけないようにしましょう。
- 精油を飲用しないようにしましょう。
- 精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
- 火気に注意しましょう。
- 子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
- 定期的に使用状況をチェックしましょう。
また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。
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おわりに 美と健康に役立つセサミオイル
セサミオイルはインドの伝統医療・アーユルヴェーダで使用されるオイルで、アロマテラピーでも利用します。
セサモリン、セサモールなどゴマ特有の抗酸化物質のほか、ビタミンEやミネラルを豊富に含んでいます。
アンチエイジング効果に優れ、血流促進作用、デトックス効果による免疫力の向上も期待できます。
なお、キャリアオイルとして使用する場合は、化粧用として販売されているセサミオイルか香りが弱く、色の薄い純正の太白油を選びましょう。
食用のごま油が手元にある場合は、オイルプリングもぜひ取り入れてみてください。
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