アルガンオイル(Argan oil)は「髪と肌の万能オイル」
こんな疑問にアロマセラピストがお答えします
- アルガンってどんな植物から採れるオイルなの?
- どんな効果が期待できるオイル?おすすめの使い方は?
- オイルなのにブースター(導入液)に使えるってどうして?
- オイリースキンでニキビができやすいけど大丈夫?どんな肌質に合うか教えて!
- ヘアケアに使える?べたつくときは多い?適量が知りたい!
- 沈殿が起きたけど使ってもいい?
- 酸化は大丈夫かな・・・保管方法が知りたい
ポイントを押さえて、美肌を育てる効果的な使い方ができるようになりましょう。
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アルガンはモロッコ南西部の砂漠地帯にしか生息しない樹木
モロッコ南西部の砂漠地帯、エッサウィラ、アガディール、タルーダントの3都市を結ぶ三角形の限られた地域だけに原生するアルガンの樹。
根が強い植物で驚異的な貯水力と再生力を備えており、乾燥の厳しい北アフリカで50度の高温にさらされても枯れることはありません。
その強い生命力をもって、数百年間にわたり、砂漠の拡大を食い止めてきました。
そんなアルガンの樹ですが、伐採によって一時絶滅の危機に。
1999年、ユネスコの生物圏保存地域(通称:ユネスコエコパーク)として世界遺産に認定され、大切に守られています。
アルガンの樹は、オリーブよりやや大きめで丸い緑色の果実をつけます。
果実は熟すと黄色に変化、夏には乾燥して黒色に代わります。
この乾燥した果実が地面に落ちたら拾い集め、中の硬い種子、さらにその中の「仁(じん)」からアルガンオイルを抽出します。
100kgの果実からわずか1ℓほどしか採ることができない、大変貴重なオイルです。
明るい黄金色のオイルは昔から薬効があることで知られ、モロッコの伝統医療に用いられてきた歴史があります。
ヘーゼルナッツオイルに似た味で、ドレッシングや炒め物などさまざまな料理に使われます。
消化不良を改善、身体の機能を正常に戻し、元気を回復させる働きをもっているそう。
食べてもスキンケアにも利用できる「全身を美しくする万能オイル」。
とっても価値のあるオイルとして重宝されてきたことがわかります。
【アルガンオイルができるまで】昔はヤギがお手伝い!?
アルガンの樹は、葉を草食動物に食べられないよう枝に棘を持っています。
モロッコ原住民・ベルベル族は、昔から料理やスキンケアにアルガンオイルを利用していましたが、この棘があるために果実の採取には苦労していたそう。
そこで、家畜のヤギに手伝わせる(?)ことに。
アルガンの樹にヤギを追い上げ、その果実を食べた後のヤギの糞の中から、果肉の消化された種子だけを集めていたんだとか。
ベルベル族の女性たちは2つの石を使って種子の硬い殻を割り、ひとつひとつ丁寧に仁を取り出し、圧搾法にてオイルを抽出していました。
あらゆる肌質に使えるアルガンオイル
約80%が肌なじみの良い不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸)で構成されており、薄くのびて素早く角質層に浸透。
オイルなのにべたつかずサラッとした使い心地で、乾燥肌から脂性肌まであらゆる肌質に使えます。
また、含まれるビタミンEはオリーブオイルの約3~4倍と高い抗酸化力も。
高い保湿力でふっくらなめらか、ハリと弾力のあるお肌へ導きます。
温度が低くなると白濁・凝固することがありますが、オイルの性質によるものであり品質には問題ありません。
温かい部屋に置いておくと元の状態に戻ります。
なお、下記の条件に当てはまる場合は酸化している可能性があります。
キャリアオイルを酸化させる要素
- きちんと蓋が閉まっていなかった(酸素に触れている)
- 直射日光の当たる場所に置いていた
- 浴室や夏場の車内など高温・多湿の場所に保管していた
- 衛生管理を怠った(洗浄していない手で容器の口に触れるなど)
肌に刺激を与え、トラブルを引き起こす原因となってしまいますので、酸化が疑われる場合は使用を控えましょう。
原料植物名:アルガン、アルガンノキ
学名:Argania spinosa(アルガニア スピノサ)
科名:アカテツ科
主な産地:モロッコ
抽出法:種子(仁)の圧搾法
色:明るい黄金色
浸透性:高い
感触:さらっと軽い感触
香り:ほぼ無臭~ナッツ様の香り
こんなときに:
トリートメント、スキンケア、ボディケア、ヘアケア、ネイルケアなど。
使用期限の目安:
開封後、2か月。
※使用について詳しくは次項をご参照ください。
購入のポイント:
アルガンオイル(100%)とアルガンオイルを配合した化粧品があるようです。
希望に合ったものか購入前に確認しましょう。
保管方法:
蓋をしっかりと閉め、冷暗所で保管。
※気温が低くなると濁りや沈殿が起こる場合があります。
主要成分(参考):
オレイン酸 50%
リノール酸 32%
パルミチン酸 13%
ステアリン酸 6%
その他 微量成分(ビタミンE、ポリフェノール ステロール、スクワレンなど)
※主要成分は産地や抽出法により異なります。
オイルなのに化粧水の前に使えるのはどうして?
オイルには、化粧水が浸透しやすい状態に整えるもの(ブースター)や、水分を逃がさないよう仕上げに使うものがあります。
キャリアオイルはどれも皮脂によく馴染みますが、特に浸透性が高いオイルはブースター使いがおすすめ。
なお、アルガンオイルは浸透性が高いうえに、乳化剤としても使われる天然のステアリン酸が含まれており水分と好相性。
洗顔後すぐアルガンオイルを使うことで、肌にぐんぐん化粧水が浸透し、栄養分と水分を補給、保湿します。
「乳化剤」とは、水と油のように混じり合わないものを、均一に混ざりやすくする役割を持つものです。
例えば、マヨネーズの主な材料は酢、油、そして卵。
本来混ざりあわない「油」と「水分」をつなぎ合わせる「卵」は乳化剤の役割を果たしています。
酸化しやすい?使用期限の目安は??
アルガンオイルは、酸化しやすい多価不飽和脂肪酸であるリノール酸が28~36%程含まれていることから、酸化しやすいと考えられます。
しかしながら、豊富に含まれるビタミンEの抗酸化力により多少もちはよくなっています。
開封後は2か月以内を目安に使い切るようにすると問題なさそうです。
しかしながら、商品ごとに定められている使用期限は2~6か月と開きがあります。
事前に商品説明に記載の期限をご確認いただくか、短い期限(開封後2か月)と考えておくとベターです。
産地によって含まれる成分の比率が異なるため、酸化の程度が変わってくるのかもしれません。
商品によっては、酸化しにくいようトコフェロール(ビタミンE)が添加されているものもあるようです。
用途、季節や肌の状態によって変わり、また多少の個人差はありますが、キャリアオイルは顔全体で1回2~3滴が理想です。
ヘアケアで髪の保湿に使用する場合は、ショート・セミロングで2~3滴、ロングで4~5滴程度です。
皮脂は自然に分泌されるもの。
多すぎる油分はニキビの原因になってしまいます。
脂性肌の方は1滴から試し、肌の状態を見て加減しましょう。
アルガンオイルの美肌作用とスキンケア
アルガンオイルには下記の美肌効果が期待できます。
ココがおすすめ
- 新陳代謝を活発にすることでくすみを消し、肌の透明感を高める。
- たるみのない弾力のある肌に。
- 血行を促進する働きはしわ対策に。
- ビタミンEがバリア機能を高め保湿力UP+血行促進。
- 肌を柔軟に保ち乾燥を防ぐ。
- 乾燥対策、皮脂コントロール両方に力を発揮。あらゆる肌質に
- ニキビや湿疹、ひび割れといった肌トラブルに。
- 傷んだ爪に栄養を与え丈夫に。
ブースターとして使うときには、洗顔後、2~3滴を顔全体に塗布します。
乾燥肌や敏感肌のボディケアには、入浴後でまだ水滴がついた状態の肌に優しく馴染ませましょう。
手、指先、爪(甘皮)のケア、ひじやかかとの乾燥ケアにも。
ファンデーションなど化粧品に1滴加えることで、保湿力を高めることもできます。
ヘアケアにもおすすめのオイル
アルガンオイルに含まれるオレイン酸は、髪のキューティクルに浸透しやすく、乾燥を防いで扱いやすいしなやかな髪にします。
タオルドライ後、髪が濡れている状態で適量(2~5滴)を髪になじませ、櫛でとかしながらドライヤーで乾かしてください。
枝毛やパサつきなど、傷んだ髪を修復し、栄養を与えて潤いとしなやかさ、つや、輝きを蘇らせます。
また、抗炎症作用がフケやかゆみを抑え、頭皮環境を整えるのでスカルプケアにも活躍。
シャンプー後、頭皮と髪の毛にオイルをなじませ、頭皮をマッサージしてください。
シャンプーの前に使うと頭皮クレンジングになり、頭皮の毛穴の汚れを落とすことができます。
スカルプケアの方法やその際の精油選択について、詳しくはこちらでご紹介しています。
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【必読】アロマテラピーのルール
精油を用いる(アロマテラピーを行う)場合は下記を守りましょう。
アロマテラピーのルール
- 原液を皮膚につけないようにしましょう。
- 精油を飲用しないようにしましょう。
- 精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
- 火気に注意しましょう。
- 子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
- 定期的に使用状況をチェックしましょう。
また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。
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アルガンオイルの使用にあたり気をつけること
まれにアレルギー症状が確認される場合があります。
敏感肌の方はパッチテストを行うか、肌の狭い範囲での使用をおすすめします。
購入時には、純粋にアルガンオイル100%か、アルガンオイルが配合された化粧品かを確認すると良いでしょう。
おわりに 「モロッコの黄金」アルガンオイル
「モロッコの黄金」、「肌と髪の万能オイル」として人気のアルガンオイル。
ココがおすすめ
- 新陳代謝を活発にすることでくすみを消し、肌の透明感を高める。
- たるみのない弾力のある肌に。
- 血行を促進する働きはしわ対策に。
- ビタミンEがバリア機能を高め保湿力UP+血行促進。
- 肌を柔軟に保ち乾燥を防ぐ。
- 乾燥対策、皮脂コントロール両方に力を発揮。あらゆる肌質に
- ニキビや湿疹、ひび割れといった肌トラブルに。
- 傷んだ爪に栄養を与え丈夫に。
さらりとした感触で浸透性に優れたアルガンオイルは、乾燥を防ぎ、皮脂バランスを調整することから肌質を選ばず使用できます。
フェイス・ボディ・ヘッドのトリートメントオイルとしての利用はもちろん、いつものスキンケアにブースターとして投入したり、ファンデーションに1滴加えて保湿力を高めることも。
ヘアオイル・スカルプケアにも使えますし、ボディ・ネイル・角質ケアにも活躍します。
スキンケア効果に使い勝手の良さも備えたアルガンオイルを、上手に取り入れてみてください。
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