ベルガモットの香りと作用
おすすめの使い方
ベルガモット精油ではどんな効果が期待できますか?
あるアンケート調査では女性が好きな香り3位、男性が好きな香りでは1位にランクインしているわ。
リフレッシュとリラックスのどちらにも使えるから、持っておくと便利な香りの一つよ。
こんな疑問にアロマセラピストが答えます
- ベルガモットに期待できる効果・効能は?
- ほかの柑橘系の精油との違いは?
- どんな香りとブレンドしたらいいの?
- どんな不調に使えるかおしえて!
- おすすめの使い方は?
落ち着きと洗練が感じられる空間演出からストレスケアまで、ベルガモットの「得意」をフル活用してみましょう。
アロマテラピーの効果が気になる方は「アロマの効果って本当?体に作用する仕組みとおすすめの香り」をどうぞ。
[toc]
男性の好きな香りNo.1!
世界初のオーデコロンの主要原料
気品と落ち着きのある洗練された印象の柑橘系の香りです。
穏やかに心を落ち着かせてくれる一方で、ポジティブで外交的な気持ちを抱かせてくれます。
オレンジ、レモンに似ていますが、もう少しフローラルなトーンが伴う香りです。
皇帝ナポレオンをも虜にしたその香りは、やがてヨーロッパ中の王室の御用達となり、1874年から日本の宮内省にも納めていたという随一の格式の高さを誇ります。
最新の設備のもと、今なお当時の製法に基づき作り続けられています。
世界初のオーデコロンを作ったといわれる「4711」公式サイトは下記からどうぞ。
ベルガモットって柑橘?どんな植物?
「ベルガモット」という名前は、一番最初に栽培されたイタリアの小都市ベルガモの名に由来しています。
イタリア南部のカラブリア地方が主な産地で80%を栽培しています。
小ぶりの丸い実は食べるには苦くすっぱすぎるためほとんど利用されず、果皮から香料を得るために栽培されています。
果皮からとれる精油は、昔からコロンやアールグレイなどの香りづけに使われています。
果皮からはマーマレードを作ることができます。
原料植物名:ベルガモット
科名:ミカン科
学名:Citrus Bergamia(キトゥルス ベルガミア)
主な産地:イタリア
抽出部位:果皮
精油製造法:圧搾法
色:薄い黄色~緑色
支配星:太陽
五行:肝
主な成分(目安):
テルペン系炭化水素(リモネン、β-ピネン、γ-テルピネン)
テルペン系アルコール(リナロール)
エステル(酢酸リナリル)
※精油の含有成分や割合は、産地や気候などにより異なります。
他の柑橘系精油との違いは?
ベルガモットの特徴
ほかの柑橘と異なり、リモネンが少なく、酢酸リナリル、リナロール、γーテルピネンで60%を占めています。
そのため、リフレッシュ効果に優れる柑橘系の精油に比べ、神経を鎮静しストレスを緩和する作用が強い点に特徴があります。
なお、柑橘系の中で最もベルガプテンの含有量が多いため、光毒性には注意が必要です。
光毒性
精油を肌につけた状態で日光に当たることで、「色素沈着(シミ)」や「炎症」などの皮膚トラブルが起こす性質
トリートメントや手作り化粧品に使う場合は、光毒性を引き起こす成分を取り除いたベルガプテンフリー(フロクマリンフリー)の精油を選ぶこともできます。
【ベルガモットの働き】
不安、緊張、怒りを和らげ憂鬱な気持ちを癒す
閉塞感や漠然とした不安から心を解放し、深い部分からゆっくりと整え、穏やかでバランスの取れた精神状態に戻してくれます。
ハイテンション、過度の落ち込みなど気分が安定しないときに。
鎮静と高揚の両方の作用があり、不安、緊張、怒りを和らげ、憂鬱な気持ちを癒してくれます。
心に大きな負荷がかかり、感情が感じられなくなってしまうときには、脳の視床下部を安定させるように働くといわれています。
参考
寒く長い冬の期間、北欧や英国では抑うつ症の人口が増えます(SAD/季節性情緒障害)。
その場合、ベルガモットを入浴に使用することにより、太陽にあたった時のような抗うつ効果を与えることが研究で分かっているそうです。
こんなときに:不安、落ち込み、心配、うつ状態、ストレス、緊張、マタニティケア、不眠 など
利用方法:芳香浴法、沐浴法、アロマスプレー、トリートメント、香水 など
精油は直接湯船に入れて使うことはできません。
精油を入浴に用いる方法(沐浴法)について、詳しくは下記ページをご参照ください。
-
アロマテラピー利用法
知らなきゃもったいない!アロマテラピー利用法 アロマって香りを焚くだけだし簡単でいいですよね。 ち ...
続きを見る
【ベルガモットの働き】
ストレスでおなかの調子が悪いときに
ベルガモットは精神面に対する作用が大きい精油ですが、消化器系の働きを強化する力もあります。
心の状態と胃腸の働きは密接に関係しているため、精神的に負荷がかかった時に起こりやすい便秘や下痢、消化不良、胃痛、胃もたれなどに役立ちます。
また、ストレスによる過食、もしくは全く食欲がなくなってしまったときの両方に働きかけ、食欲を調整します。
こんなときに:便秘、下痢、消化不良、腸内ガス(鼓腸)、食欲不振 など
利用方法:芳香浴法、沐浴法、アロマスプレー、トリートメント など
【ベルガモットの働き】
乾燥する季節の感染症対策に
抗感染作用や抗ウィルス作用を持ち、呼吸器系の感染症予防に効果を発揮します。
冬場にアロマディフューザーで芳香浴に使うのもおすすめです。
気持ちを穏やかにするうえ誰にでも好まれる柑橘系の香りなので、人の集まる場所でも使いやすいです。
ティートリーやラベンサラ、ユーカリ(グロブルス、ラジアータ)とブレンドするとより効果的です。
利用方法:芳香浴法、アロマスプレー、蒸気吸入法 など
詳細は下記リンク先よりご確認いただけます。
また、ベルガモットが免疫力に与える影響に関する実験結果がありますので、下記リンク先も併せてご参照ください。
感染症の流行時期に相乗効果が期待できる精油の詳細については下記をご参照ください。
-
-
ティートリーはあらゆる感染リスクと戦う頼れる1本
ティートリーの香りと働き・おすすめの使い方 「ティートリー(Tea tree)ってお茶の木?」 「すすめられたけど香りがちょっ ...
続きを見る
-
-
ユーカリの香りと働き・活用法
ユーカリ(Eucalyptus)の香りと作用 おすすめの使い方 ユーカリといえば花粉症に感染症対策!   ...
続きを見る
香りを良くするブレンドエンハンサー
ブレンドのコツ
香りのタイプ:柑橘系
香りのノート:トップ
香りの強さ:弱
花、柑橘系、ハーブ、葉など、どんな香りともよく調和し、使いにくい精油でもこの香りをブレンドすると香りがよくなります(ブレンドエンハンサーといいます)。
レモンやオレンジと比べると、香りの持ちは良いです(揮発速度はやや遅くなります)。
ベルガモットのおすすめブレンド例
精油は一つでも十分な効果を得ることができますが、ブレンドすることで相乗効果を期待できます。
ベルガモット×フランキンセンス
甘く澄み切った香りが心まで軽やかに
みずみずしいシトラスノートに、ほんのり甘さのあるバルサミックなフランキンセンスがブレンドに深みを与えます。
甘く澄み切った香りは、自然と心を重くする荷物を取り去ってくれるイメージです。
心を穏やかに慰め、落ち着かせて冷静な視点を与えてくれる組み合わせです。
ベルガモットのほうが香りが強いため、フランキンセンスをやや多めに入れるとバランスがとれます。
-
-
フランキンセンス精油の香りと働き・活用法
フランキンセンス(乳香/オリバナム)の香りと働き おすすめの使い方 フランキンセンスといえば、アン ...
続きを見る
ベルガモット×ゼラニウム
柔らかいフローラルな香りで女性におすすめ
柑橘の爽やかさにローズを思わせるフローラルノートが加わり、柔らかく華やかさのあるブレンドです。
いずれも心のバランスをとるようサポートしてくれる作用がありますが、ゼラニウムが加わることで女性ホルモンのアンバランスによる不調もケアしてくれます。
生理前のイライラや不安、むくみや過度に甘いものを取りすぎてしまうときなどにも適しています。
ゼラニウムの香りが強いため、ベルガモット2滴に対しゼラニウム1滴程度のブレンドがお勧めです。
-
-
ゼラニウムの香りと働き・活用法
ゼラニウムの香りと働き おすすめの使い方 「柑橘の精油は持ってるけど、次に買い足したら便利な精油ってなにがあるのかなぁ?」 「 ...
続きを見る
ベルガモット×ラベンダー 眠れない夜に
ラベンダーのやや果物のような酸味と甘みがベルガモットとよく調和し、爽やかで落ち着いた香りです。
このブレンドは、不安や寂しさが根底にある不眠に特におすすめで、子どもから大人まで使えます。
ベルガモットのほうが香りが強いため、ラベンダーをやや多めに入れるとバランスがとれます。
バスソルトの作りかたはこちら
-
-
ラベンダーの香りと作用・おすすめレシピ
ラベンダー(lavander)の香りと作用 おすすめの使い方 アロマテラピーって聞くとまず思い浮かぶのはラベンダ ...
続きを見る
ベルガモット×プチグレン
心身の緊張を解き、休息モードに
草を揉んだ時のような青臭さがあるプチグレンは、ベルガモットの爽やかさに奥行きを与えてくれます。
プチグレンは鎮静と抗不安作用に優れており、ストレスからくる消化器や循環器の不調に活躍してくれます。
緊張を解き、休息を与えてくれるリラクゼーション効果の高いブレンドです。
同量程度のブレンドでバランスがとれます。
-
-
プチグレンの香りと作用・おすすめの使い方
プチグレン(Petitgrain)の香りと作用・おすすめの使い方 プチグレンってあまり聞かない名前・・・香りが想 ...
続きを見る
アロマテラピーが初めての方はブレンドオイルから
アロマテラピーが初めての方はブレンドされたオイルやスプレーが手軽で試しやすいかと思います。
用途が芳香浴のみに限られる欠点はありますが、香りよく調香されており、精油を揃えなくとも1本で相乗効果を得ることができます。
下記は、ベルガモットに「ラベンダー、クラリセージ、プチグレン、カモマイル・ジャーマン」がブレンドされた就寝時に最適のリラックス効果が高い組み合わせです。
ベルガモットで期待できる作用一覧
強心作用
強壮作用
駆風作用
解熱作用
健胃作用
抗うつ作用
消化促進作用
鎮痙作用
鎮静作用
鎮痛作用
デオドラント作用
瘢痕形成作用
他
-
-
【保存版】精油に期待できる薬理作用一覧
精油の薬理作用 芳香植物は、魅力的な香りで私たちをひきつけます。 各植物の個性の一つである精油は、植物がその種の生き残りをかけて作り出した物 ...
続きを見る
【必読】アロマテラピーのルール
アロマテラピーを行うにあたっては下記を守りましょう。
アロマテラピーのルール
- 原液を皮膚につけないようにしましょう。
- 精油を飲用しないようにしましょう。
- 精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
- 火気に注意しましょう。
- 子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
- 定期的に使用状況をチェックしましょう。
また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。
-
-
アロマテラピーのルール(精油を安全に活用するために)
アロマテラピーのルール~精油を安全に活用ために~ 精油は、植物から抽出した天然の物質だからと言って100%安全だというわけではありません。 ...
続きを見る
ベルガモットの使用にあたり気をつけること
妊娠初期は使用を控えましょう。
光毒性がありますので、肌へ使用した後は直射日光に当たらないようにしましょう。
敏感肌の方には皮膚刺激の可能性がありますので、低濃度で使用しましょう。
向精神薬、鎮静剤、睡眠剤、抗てんかん薬、血圧降下剤と多量のベルガモット精油の併用は避けることが望ましいとされています。
おわりに 優しい香りと効果をもつベルガモット
ベルガモットは、誰にでも好まれる爽やかな柑橘系の香りです。
リフレッシュとリラックスの両方を持ち合わせており、さまざまな精油とブレンドし、相乗効果を期待することができます。
疲れた心を優しく包み、緊張を解き、穏やかでバランスの取れた精神状態に戻してくれます。
精神的なストレスによる消化器系の不調や感染症の予防にも役立ちます。
ベルガモットの利用方法について詳しくはこちら
精油にはさまざまな活用方法があり、ご自身が心地よく、手軽に取り入れられる方法を選ぶことができます。
使い方の詳細については、下記ページをご参照ください。
-
-
アロマテラピー利用法
知らなきゃもったいない!アロマテラピー利用法 アロマって香りを焚くだけだし簡単でいいですよね。 ち ...
続きを見る
アロマテラピーの基本的な知識は下記ページでまとめています。
-
-
アロマテラピーの基礎知識
アロマテラピーの基礎知識
続きを見る
精油は体と心に働きかける力をもっています。
しかしながら、「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」ではありません。
香りを楽しみながら、健康維持・増進、美容を目的にアロマテラピーを取り入れてみてください。
心身の状態が悪い時には速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。