カモミール・ローマンの効果・効能と
おすすめの使い方
ローマンカモミールは淡い黄色の精油なの。
カマズレンの量が少ない分、作用が穏やかさで使いやすくなるわ。
作用はもちろん、フルーティーな香りもお子様におすすめできるところね。
こんな疑問にアロマセラピストがお答えします
- ラベンダー以外にある?子どもにも使いやすい精油を教えて。
- アロマテラピーでよく使うカモミールは?
- 使っちゃいけないケースはある?カモミールを使うときの注意点が知りたい。
もちろん、体と心、スキンケアまで大人にも嬉しい作用もたっぷり。
この機会にぜひ使い方をマスターしてしまいましょう。
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カモミール・ジャーマンについてはこちらのページで解説しています。
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可憐なローマンカモミール
花言葉は「逆境に負けない」
ローマンカモミールはイギリス原産でキク科の多年草です。
ジャーマンカモミールより大きめの花を咲かせます。
マーガレットに似たかわいらしい花ですが、その花言葉は「逆境に負けない」。
足で踏まれれば踏まれるほどよく育つといわれる生命力の強い多年草で、「植物のお医者さん」とも呼ばれています。
カモミールという名前は、ギリシャ語で「地上の」を意味するChamaiや「地上のりんご」を意味するMelonに由来しているといわれ、学名の中のnobilisは「高貴な花」という意味です。
古くから薬草として用いられてきた歴史があります。
特に子どもにも使用できるハーブとして親しまれ、子どもがむずかるときになだめたり、寝つきの悪い子どものため日常的に使われ、安眠を促すお茶としても親しまれています。
心理面への作用を考慮する場合には、カモミール・ジャーマンと比べ、カモミール・ローマンが選ばれます。
横に這うように伸ばすことができるため、良い香りの芝生としてガーデニング等でも利用されます。
ローマンカモミールの芝生
カモミールは通常草丈20~30cmほどに育ちます。
しかし、あえて新芽のころ(5cmくらい)とのときに少し踏んで、地面に広がるようにします。
また、花は咲かないようにして葉に栄養が回るようにして作っていきます。
ジャーマンカモミールは花のみですが、ローマンカモミールは葉や茎にも芳香成分を含むため、香りを楽しめる芝生になります。
一方、ローマンカモミールはアロマテラピーでよく使われます。
ジャーマンカモミールはスキンケア、ローマンカモミールは心への作用を期待して利用されることが多いです。
心地よい眠りを誘うほのかなリンゴの香り
甘酸っぱいりんごのような香りです。
ごく薄めると、優しく穏やかでフルーティーな香りになります。
甘酸っぱいリンゴに、みずみずしいハーブがプラスされたようなコクのある香り。
カモミール・ジャーマンよりも香りに爽やかな強さがある精油です。
優しい香りで作用が穏やかなローマンカモミール
心を鎮めて休ませ、安心させる力を持つ精油です。
急激で激しい動揺であってもサポートしてくれます。
周囲の人間や出来事に過剰反応してしまうデリケートな状態やショック、トラウマ、ストレスを感じているときに。
鎮静効果や消炎作用を持つエステル類を主成分としているローマンカモミールは、気分転換のきっかけをもたらしてくれます。
イライラや不安をやわらげ心地よくしてくれるため、欧米ではカウンセリングの治療を行う際にも利用されています。
また、カモミールの精油には炎症を抑えるカマズレンという成分が含まれているのが特徴。
ローマンカモミールはジャーマンカモミールに比べて、カマズレンの含有量が少ない分作用が穏やかで、子どもにも安心して使用できます。
原料植物名:ローマンカモミール
科名:キク科
学名:Anthemis nobilis(アンテミス ノビリス)
主な産地:イギリス、イタリア、ハンガリー、ドイツ、フランス、南アフリカ、モロッコ
抽出部位:花
精油製造法:水蒸気蒸留法
色:薄い黄色
主な成分:アンゲリカ酸エステル類(特徴成分)、チグリン酸エステル類
支配星:月
五行:肝
【心への作用】
疲れた心を休ませ、心地よい眠りに誘う
甘くフルーティーな香りですが、不安や緊張、怒りや恐怖の念を和らげる非常に強い緩和力を持ちます。
中枢神経を鎮静する作用が強く、過度の興奮や極度の不安など大きな感情の高まりを和らげ、心を安らかにします。
子どもが気持ちが高ぶってなかなか寝付けないときや、精神的なストレスによりなかなか寝付けない大人の不眠症にも役立ちます。
リラクセーションを促し忍耐心と平和を与え、気苦労を軽くし、心身を休息させる働きがあります。
カモミールジャーマンと同じように、ストレスを受けている心を穏やかにする作用があります。
適用:不眠、不安、緊張、ショック、緊張型頭痛、恐怖、心配、かんしゃく、興奮、パニック、自律神経のアンバランス、出産、動悸、高血圧、PMS(月経前緊張症) など
利用方法:芳香浴法、沐浴法、トリートメント法
【体への作用】
優れた鎮痛作用をもつローマンカモミール
子どもから大人まで年齢を問わず、また効能も多いためとても便利な精油です。
痛みを和らげ鎮める働きが顕著で、筋肉痛をはじめ、頭痛や神経痛、関節痛などに有効です。
また、月経周期を整え、月経痛をやわらげる力があります。
月経前症候群(PMS)や更年期障害で生じる過敏な症状を鎮めてくれます。
消化不良や膨満感、便秘の改善には、レモンやマンダリン、スイートマジョラムとのブレンドがおすすめです。
その他、白血球の生産を促したり、花粉症の症状を緩和するなど幅広い効能があります。
肩こり・腰痛とトリートメントオイル
ストレスを和らげる心理面での作用も期待できる組み合わせです。
肩こりや腰痛のある部分を優しくマッサージしましょう。
材料
- キャリアオイル・・・10ml
- ローマンカモミール・・・1滴
- ラベンダー(もしくはオレンジ)・・・1滴
- 遮光性ガラス容器(10ml)
作り方
- 遮光性ガラス容器の肩口までキャリアオイルを入れます。
- 精油(合計2滴)を「1」に加えてふったらできあがり。
Point
残ったオイルはしっかりふたを閉めて保管。
2週間以内に使い切るようにしましょう。
適用:アレルギー性鼻炎、花粉症、肩こり、筋肉痛、神経痛、頭痛、リウマチ、嘔吐、胸やけ、胃酸過多、鼓腸(ガスでおなかが張る)、軽い消化不良、冷え性、腰痛、肩こり、眼の疲れ、高血圧、月経不順、月経痛、月経前緊張症(PMS)、更年期障害 など
利用方法:芳香浴法、沐浴法、トリートメント法 など
【肌への作用】
リラクゼーションを兼ねたスキンケア
アレルギー性の皮膚炎とかゆみの緩和に。
皮膚炎、ニキビ、乾癬、敏感肌、アレルギー肌全般に役立ちます。
炎症を鎮める働きは日焼けした肌やニキビケアにも最適。
肌荒れを改善する、肌の弾力を高めるなどの作用は加齢肌のお手入れに適しており、化粧品の原料としても古くから使用されています。
インビトロでの実験において、ローマンカモミールはコラーゲン産生促進作用をもつことが確認されました。
ローマンカモミールは白癬菌への静菌作用に優れていることが実験からわかっています。
適用:アトピー、じんましん、湿疹、かゆみ、シミ、そばかす、ニキビ、肌荒れ、乾燥 など
利用方法:トリートメント法、フェイシャルスチーム、手作りコスメ など
【ブレンドのコツ】
少量で穏やかで心地よいフルーティーな香りに
香りのタイプ:フローラル
香りのノート:ミドル
香りの強さ:強
相性の良い精油:イランイラン、シダーウッド、ジャスミン、パルマローザ、ベルガモット、メリッサ、ラベンダー、ローズ、ネロリ、クラリセージ、サイプレス、マンダリン、ゼラニウム、レモン など
シトラス、ハーブ、フローラル、ウッディ系の香りと相性が良いです。
強く主張する香りで他の精油よりも目立ってしまうため、調和するよう少量利用がおすすめです。
Instagramにて精油のブレンド例をご紹介しています。
下記はローマンカモミールを大人っぽくベルガモットと組み合わせたブレンドです。ご参考までに。
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ローマンカモミールに期待される薬理作用
強肝作用
強壮作用
強脾作用
駆風作用
血圧降下作用
解熱作用
健胃作用
抗アレルギー作用
抗うつ作用
抗炎症作用
抗ウィルス作用
消炎作用
消化促進作用
制吐作用
鎮痙作用
鎮静作用
鎮痛作用
通経作用
発汗作用
瘢痕形成作用
皮膚軟化作用
利尿作用
他
精油の薬理作用について詳細はこちらをご参照ください。
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ローマンカモミールの使用にあたり気をつけること
キク科、ブタクサアレルギーのある方は注意が必要です。
妊娠中の使用は控えましょう。
また、作用が強い向精神薬、睡眠薬等と併用すると鎮静効果が強く出すぎてしまうこともあるので注意しましょう。
香りが強いので少量(0.5%以下)の使用で十分です。
アロマテラピーを安全にご利用いただくため、こちらをあわせてご一読ください。
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おわりに
優しい香りのローマンカモミール
ローマンカモミールは、お子様からご高齢の方まで使える穏やかな作用を持つ精油です。
また、体と心の両方の不調を癒し、スキンケアにも役立つなど幅広い用途に使えるところも魅力。
高価な精油ですが、香りも作用も強いためブレンドに1滴加えるだけで十分効果を発揮します。
なお、キク科・ブタクサアレルギーのある方は使用に注意しましょう。
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