クローブ(Clove)の香りと作用・おすすめの使い方
他にも、マサラチャイやグリューワインにも使われるスパイスよ。
メジャーな精油ではないけれど、意外となじみのある香りかもしれないわね。
こんな疑問にアロマセラピストがお答えします
- クローブってどんな植物?
- クローブ精油が持つ効果・効能を教えて。
- ゴキブリ除けに使えるって本当?猫ちゃんがいても大丈夫?
- 使用にあたって気をつけることってある?
- クローブはどんな使い方ができるか知りたい。
目次よりお好きな項目からご覧いただくこともできます。
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歯医者さんのハーブ「クローブ」
高さ10~15mほどに成長する円柱型をした常緑樹です。
原料のクローブは「丁子(ちょうじ)」の名で知られ、最も芳香が強いスパイスと言われています。
はるか遠くからもその香りが感じられるとして「百里香(ひゃくりこう)」の別名があるほど。
ラテン語ではクラウスと呼びますが、これは釘という意味で、その花蕾が釘の形をしていることからきています。
クローブの花のつぼみは収穫した直後は緑色をしていますが、時間がたつにつれて赤褐色に変化し、それに伴いスパイシーな香りが漂ってきます。
古来、感染症予防の作用が認められている樹木です。
かつてオランダ人たちがモルッカ諸島のクローブ樹を切り倒したところ、その地域で多くの疫病が流行したという逸話が残っているほどです。
クローブはギリシャ人、ローマ人、中国人がその薬理作用から珍重してきました。
中国人はクローブをかんで歯の痛み止めや口臭予防に利用していました。
この香りが「歯医者さんの香り」と呼ばれるのは、強力な殺菌作用と鎮痛作用を持つ精油が歯科領域で大変有益だったためです。
ハーブティーは歯痛や頭痛に使われますが、風味を良くするためにオレンジピールとブレンドするのがお勧めです。
開花後は香りの質が落ちるので、精油は蕾から抽出します。
この精油の原料となる蕾はクローブバッド(clove bud)と呼ばれます。
参考
オレンジポマンダー
クローブは感染症抑止剤として、伝染病の予防に使用されてきた長い歴史があります。
虫除けや抗菌作用に優れ、中世のヨーロッパではペスト予防のためのポマンダーによく使わていました。
(ペスト流行時はクローブ、タイム、ローズマリー、セージが予防薬として使われていました。)
今でも香りのよい昆虫忌避用品として、オレンジポマンダーを使う習慣は広く行われています。
クローブには防腐作用があり、クローブを生のオレンジにさしておくと防虫、部屋の芳香、感染症の予防に役立ちます。
メモ
マルドワインとは、シナモン、クローブなどのスパイス、オレンジやレモン、砂糖(メープルシロップやはちみつ)を入れて甘くしたホットワインです。
グリューワイン(ドイツ)、マルドワイン(イギリス)、ヴァンショー(フランス)と、国ごとに呼び名とレシピは少しずつ異なるようです。
手軽にグリューワインを楽しめるスパイスミックスも販売されています。
お皿にクローブを一つまみ、または精油を数滴たらして気になる場所においておくと良いでしょう。
昆虫忌避作用に優れた精油については下記のページでもご紹介しています。
ポイント
下記ページにて詳しく触れていますが、ペットと過ごす部屋で精油を使うことはできません。
特に、クローブに多く含まれるオイゲノールはペットに有毒です。
精油ではなく、クローブ(ホール)の香りを虫よけに使いたい場合でも、念のため獣医師さんにご相談いただきたいです。
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シャープでスパイシーなクローブの香り
スパイシーで刺激的ななかにも、まったりとして趣があるとても強い香りをもっています。
強く刺激的ですが心地よさを感じさせるのは、スパイシーなだけでなくややフルーティーなためと思われます。
クローブ特有の鋭い香りは消毒薬をイメージさせるかもしれません。
クローブ精油がもつ働きとは?
その香りは疲れて弱っている心に刺激を与えて、気力を充実させてくれます。
精油には強い殺菌・抗菌・防虫効果のあるオイゲノールという成分が多く含まれているため、特に抗菌、免疫強化、鎮痛作用に優れています。
精神的、肉体的強壮に使えるほか、クローゼットや押し入れなどのカビを防ぎ、優れた虫よけとなります。
なお、オイゲノールは皮膚刺激の程度は弱い方ですが、フェノール類は全般的に刺激が強い成分のため使用にあたっては注意が必要です。
経験が浅いうちは、芳香浴や虫よけ用のスプレーやサシェなどに活用するのが安心です。
学名:Eugenia caryophyllata(エウゲニア カリョフィラタ)
科名:フトモモ科
主な産地:マダガスカル、インドネシア など
抽出部位:花蕾(からい)
抽出方法:水蒸気蒸留法
精油の色:淡黄色
主な芳香成分:
フェノール類 80%(オイゲノール 70~85%)
エステル類 12.5%(酢酸オイゲニル 10~15%)
その他 7.5%
※精油の含有成分や割合は、産地や気候などにより異なります。
心身を強化、ベースを整え安定させ活動的に 心への作用
疲労から気力が衰えている心に刺激を与える精油です。
心に積極的で刺激的な効果をもたらし、記憶力を強化し、沈んだ気分を明るく盛り上げてくれます。
一方、興奮状態の場合は鎮めて、冷静さをもたらしてくれるでしょう。
気力・体力が低下し、衰弱した感じがするときには柑橘系やローズ、ヒノキとのブレンドがお勧めです。
強力な殺菌作用は空気清浄に最適 体への作用
消化器系、呼吸器系の不調に効果を発揮します。
食中毒、下痢、消化不良、腸内ガスの排出やそれらに起因した口臭、気管支炎やのどの痛みを改善します。
また、痛みを和らげる作用は関節炎やリウマチ、緊張からくる頭痛に役立ちます。
だるさや眠気を一掃するような刺激・強壮作用があります。
こんなときに:免疫低下、腸内ガス(鼓腸)、消化不良、便秘、下痢、口内炎、咽頭炎、歯痛、歯周病、低血圧、慢性疲労 など
殺菌作用が感染症に効果を発揮 肌への作用
殺菌、消毒作用があるため、皮膚の感染症に効果を発揮します。
抗真菌作用や抗菌作用が特に強く、水虫や爪の白癬など真菌による症状に役立ちます。
ただし、皮膚を刺激しすぎてしまうこともあるので、十分に薄めて少量ずつ使うことが大切です。
ごく少量がコツ クローブ精油のブレンドについて
香りのタイプ:スパイス系
香りのノート:ベース、ミドルからベース
香りの強さ:強め
相性の良い主な精油:グレープフルーツ、シトロネラ、シナモン、ブラックペッパー、ペパーミント、レモン、ローズマリー・カンファ―、スイートオレンジ、ベンゾイン、ローズ、ラベンダー、イランイラン など
柑橘系や花、樹脂系の精油とよく調和します。
香りと作用が強いので、少量を用いるようにしましょう。
芳香浴の場合、部屋の広さにもよりますが、ブレンドに1~2滴加える程度で十分かと思います。
クローブ精油に期待できる作用
加温作用
強脾作用
駆虫作用
駆風作用
血圧上昇作用
健胃作用
抗炎症作用
抗感染作用
抗菌作用
抗ウィルス作用
抗神経痛作用
催淫作用
殺菌作用
神経強壮作用
子宮強壮作用
刺激作用
食欲増進作用
制吐作用
鎮痙作用
鎮静作用
鎮痛作用
免疫強化作用
他
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【必読】アロマテラピーのルール
アロマテラピーを行うにあたっては下記を守りましょう。
アロマテラピーのルール
- 原液を皮膚につけないようにしましょう。
- 精油を飲用しないようにしましょう。
- 精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
- 火気に注意しましょう。
- 子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
- 定期的に使用状況をチェックしましょう。
また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。
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クローブの使用にあたり気をつけること
妊娠中の使用は避けましょう。
高血圧、アルコール中毒症、前立腺がん、腎臓、肝臓の疾患がある場合は使用を控えましょう。
クローブ精油とアスピリンとの併用は避けるほうが望ましいとされています。
作用が強く、また皮膚刺激があるため使い過ぎに注意が必要です。
少量(30mlの基材に1~2滴)の局所的な塗布・使用にとどめましょう。
また、一般的によく利用されるのは花蕾の精油ですが、葉からとれる精油も販売されています。
葉と花蕾では香りや作用が異なるので、抽出部位を確認してから購入するようにしましょう。
おわりに クローブの殺菌・昆虫忌避作用を活用しよう
クローブは、殺菌作用、免疫強化、鎮痛作用に優れた精油です。
強力な作用を持つ分、刺激性も高くなりますが、安全性が高い使用方法(芳香浴やアロマクラフト)を選べばとても有効です。
特に、虫よけ作用も役に立ちますので、上手に活用してみてください。
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クローブと相性の良い精油は下記ページでご紹介しています。
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精油は体と心に働きかける力をもっています。
しかしながら、「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」ではありません。
香りを楽しみながら、健康維持・増進、美容を目的にアロマテラピーを取り入れてみてください。
心身の状態が悪い時には速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。