知らなきゃもったいない!アロマテラピー利用法
精油を手に入れたらフル活用しなきゃもったいない!
どれも手軽だからぜひ試してみて。
こんな疑問にアロマセラピストがお答えします
- 精油を買ったけれど香りを焚く以外に使い道ってある?
- 香りを拡散させるためにはディフューザーも買わなきゃダメ?
- 入浴に使えるって本当?使い方を教えて!
- セルフマッサージに使うオイルの作り方は?
- 喉の不快感にいい蒸気吸入法って?
アロマテラピー(芳香療法)は、植物から抽出した100%天然の芳香成分(精油/エッセンシャルオイル)を暮らしの中で美容や健康に役立てる自然療法です。
アロマテラピーを日々の生活に手軽に効果的に取り入れられることは、難しいことではありません。
ここでは、日々の生活での不調やケアのための基本的な利用法を紹介していきます。
目次よりお好きな項目からご覧いただくことができます。
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アロマテラピーの効果が気になる方は先にこちらをどうぞ
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はじめに大切なポイントをおさえよう
アロマテラピーのルールを覚えよう
アロマテラピーで使用する精油は、自然由来のものだからといって安全とは限りません。
精油は自然にあるときよりはるかに濃縮されていて強い力を持っています。
正しい知識を持って利用すればとっても役立つのですが、誤った使い方をすればトラブルの原因になる可能性があります。
アロマテラピーを初めて行う方は、安全にご利用いただくため、下記ページをご一読ください。
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アロマテラピーのルール(精油を安全に活用するために)
アロマテラピーのルール~精油を安全に活用ために~ 精油は、植物から抽出した天然の物質だからと言って100%安全だというわけではありません。 ...
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トラブルが生じた場合の対応
芳香浴法で気分が悪くなったり、手作り化粧品やトリートメントオイルの皮膚への塗布などでかゆみや炎症などの皮膚トラブルが現れた場合は、すぐに使用を中止します。
芳香浴の場合は、窓を開けるなど部屋の換気をしてください。
皮膚トラブルの場合は、皮膚についた精油を清潔な大量の水で洗い流します。
赤み、刺激、発疹など、皮膚に異常が見られた場合は医療機関を受診しましょう。
衛生管理はしっかり行うこと
バスソルトやトリートメントオイルを作成する際は、衛生管理に配慮しましょう。
ポイント
- 使用器具、作業場所を清潔に保ちましょう。
- 手や指などをしっかり洗浄してから作成に入りましょう。
- 清潔な環境で行いましょう。
アロマテラピーで使用する道具の消毒方法については下記ページでご紹介しています。
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アロマクラフトに必要な道具とお手入れ方法
アロマテラピーに必要な道具とお手入れ方法 「アロマって香りを焚いて楽しめるだけじゃないの?」 私も最初はびっくり ...
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保存期間について
なるべく使用する直前に作成することが望ましいのですが、下記の期間であれば保存は可能です。
高温多湿を避け、冷暗所(夏場なら冷蔵庫)に保管し、早めに使い切りましょう。
ポイント
水が含まれるもの およそ1~2週間
植物油などが中心のオイルやクリーム 1か月程度
芳香浴法 もっとも手軽に香りを楽しめる方法
芳香浴法とは
精油を拡散させ、香りを楽しみながら心身のバランスを整える方法
空気中に精油の香りを漂わせ、その香りをかぐのが芳香浴法です。
全ての精油には抗菌作用があるため、お部屋の空気の殺菌・浄化ができます。
また、鼻から吸い込まれた香りの分子が脳を刺激し、使用する精油によってリラクゼーション効果をもたらしたり、神経を集中させたりします。
さらにこの香りの分子は呼吸器から体内に吸収され、血流にのって全身を巡り、体や心のバランスを整えるよう働きかけます。
アロマテラピーの中で最も手軽な芳香浴ですが、人の出入りがある場所などで使用する場合は、軽く香らせる程度にしたほうがよいでしょう。
その時々の目的に合わせた精油、方法を選んでみましょう。
- 同じ香りの中にいると香りを感じにくくなります(順応といいます)。
芳香浴法を行う際は、適宜部屋の換気をしましょう。 - 精油の量は、部屋の広さ、精油の種類による香りの強さなどを考慮し加減しましょう。
- 香りの感じ方には個人差があります。
人が集まる場所で取り入れる場合は、置き場所や香りの強さ、種類などに配慮しましょう。
ティッシュペーパーやハンカチを使う方法
ティッシュペーパーやハンカチを利用して手軽に香りを楽しむ方法です。
ティッシュペーパー、コットン、ハンカチなどに精油を1~2滴つけ、香らせたい場所に置きます。
手軽でだれでも安全に取り入れられるので、外出先やオフィスでも香りを楽しむことができます。
オフィスのデスク回りや就寝時の枕元、車の中などにおいてもいいでしょう。
- 置く場所の遠近で香りの強さを調節しましょう。
- ハンカチなどで行う場合は、目立たない部分につけて試してから行いましょう。
- 精油によってはシミになるものがあるので注意しましょう。
- 鼻を近づけてかぐときは精油が肌に直接触れないようにしましょう。
お湯を使う方法
お湯の中に精油を落として香りを漂わせる方法です。
マグカップ、ボウル、洗面器などの耐熱容器に湯気の立つ程度の熱めの湯を半分程度入れ、精油を1~2滴加え、香らせたいところに置きます。
ティッシュペーパーやハンカチを使う方法に比べると揮発しやすく強く香り、蒸気により香りを素早く広げることができます。
ただし、香りはあまり持続しません。
- 精油を入れた湯を誤って飲まないように注意しましょう。
- 子どもやペットのいる場所では置き場所に注意しましょう。
- やけどに注意しましょう。
- 使用した耐熱容器(マグカップなど)を別の用途で使用する場合は、よく洗ってから使いましょう。
使用する容器を芳香浴専用などにするのもおすすめです。
ひとふきすればすぐに香る ルームスプレーを使う方法
精油を使ったルームスプレーで香りを楽しむ方法です。
シュッとひとふきするだけで素早く香るので、すぐに効果を得たいときに重宝します。
消臭スプレーとして玄関やキッチン、トイレなどそれぞれの場所や用途に合わせたものを作っておくと便利です。
また外出時の気分転換に使うのも手軽でおすすめです。
香りを楽しむだけでなく、空気を浄化、消毒したいときにも使える方法です。
ルームスプレーの作り方
用意するもの(出来上がり量 50ml)
- 精油 合計3~20滴程度
- 無水エタノール 5ml
- 精製水 45ml
- 耐熱性ガラス棒
- 耐熱性ガラスビーカー
- 遮光性スプレー容器
- ラベル(作成日を記載)
作り方
- ビーカーに無水エタノール(5ml)を入れ、精油を合計3~20滴程度加えます。
- 耐熱性ガラス棒でよく混ぜ合わせます。
- 「2」に精製水(45ml)を加え、さらによく混ぜます。
- スプレー容器に移します。
- 作成日などを記したラベルを貼ります。
時間がたつと精油と水が分離するため、使用時には必ず容器をよく振りましょう。
- 使用用途や精油の種類、部屋の広さや好みなどに応じて、滴数を調整しましょう
- 精油の種類によっては白濁するものがあります
- 直接皮膚につかないように使用しましょう
- 子どもやペットに配慮して使いましょう
- 火気のある所では使用しないようにしましょう
- 人に向かってスプレーしないようにしましょう
- 家具や衣類にはシミになることがあるので注意しましょう
- アルコール分が揮発しないように保存容器のふたをしっかりと閉め、冷暗所で保存しましょう
精油やアルコールがプラスチックを溶かしてしまうことがあります。
スプレー容器の選び方については下記ページで説明しています。
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アロマクラフトに必要な道具とお手入れ方法
アロマテラピーに必要な道具とお手入れ方法 「アロマって香りを焚いて楽しめるだけじゃないの?」 私も最初はびっくり ...
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芳香拡散器を使う方法
香りを漂わせる専用の器具である芳香拡散器を使う方法です。
香りを持続的に楽しみたいときや広い空間に香らせたいときにとても便利です。
芳香器にはいろいろな種類がありますので、目的や場所に適したものを選びましょう。
実際に使用するときは、それぞれの製品の取扱説明書に記載の手順に従いましょう。
アロマディフューザーについて詳しくは下記ページをご参考にどうぞ。
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沐浴法は入浴に精油を取り入れる方法
沐浴法とは、精油を使ったバスオイルやバスソルトをお湯に加えて入浴する方法です。
鎮痛、循環促進、疲労回復、リラクゼーション、老廃物の排除などにおいて、入浴と精油の相乗効果が期待できます。
沐浴法には、全身浴法のほか、体の一部のみをお湯につける部分浴があります。
浴室は密閉空間であり、入浴時は呼吸数が増加しますので、肺に吸い込まれた精油はすぐに毛細血管に取り込まれて全身を駆け巡ります。
さらに、全身が温められて血流が良くなることで精油の皮膚吸収は高まり、お湯に溶け込んだ微量の精油は直接体内に浸透します。
ふわりと良い香りに包まれるのはとっても心地よくって癒されるのよ。
ご家族と一緒に入浴されるときは、相手の香りの好みや体調にも配慮して精油を選ぶようにしましょう
- 精油の香りや刺激の強さにより滴数を加減しましょう。
- 精油は水には溶けないため、無水エタノールもしくは植物油で希釈したのち湯に溶かしましょう。
- 精油を使用して皮膚に何らかの刺激を感じた場合は、すぐに洗い流します。
- 皮膚刺激のある精油は、使用する滴数を少なめにしましょう。
- 長時間の沐浴は身体に負担がかかる場合があるので、体調に合わせて行いましょう。
- お年寄りや既往症がある方の場合、湯温42℃以上での全身浴法は身体への負担が増すため、注意して行います。
- 精油は湿気や高温に弱いため、浴室に置かないようにしてください。
バスソルトの作り方
発汗作用・加温作用がある天然塩に、好きな香りや目的に応じた精油を選び加えることでバスソルトを手作りすることができます。
- 作成後はなるべく早く使いましょう。
保管する場合は、湿気を避けるために密閉容器のまま、冷暗所で保存しましょう。 - 無水エタノールは揮発性が高いため、作成後は速やかに使用しましょう。
- 浴槽によっては使用できない場合があります
- 使用後の湯は捨て、洗濯などに使用しないでください
バスソルトの作り方(全身浴法 1回分)
準備するもの
- 精油 合計1~5滴
※一般の家庭の浴槽(水量約200l)に対する滴数です。 - 無水エタノール 5ml
- 天然塩 大さじ2
- 容器(深めの小皿や小鉢など)
- 計量スプーン
- 耐熱性ガラス棒
作り方
- 無水エタノール(5ml)を容器に入れ、精油を合計1~5滴加えて耐熱性ガラス棒などでよく混ぜ合わせます。
- 天然塩(大さじ2)を加えます。
- 湯を張った浴槽に「2」を入れ、全体をよくかき混ぜてから入浴します
それぞれの分量は、各項目にてご確認ください。
アロマテラピーで使用する材料(基材)については下記ページをご参照ください。
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アロマテラピーで使用する基材
アロマテラピーで使用する基材 精油を直接肌につけちゃいけない… じゃあ、何で薄めたらいいですか? ...
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全身浴法
浴槽に湯を貼り、精油で作ったバスソルトを加えてよくかき混ぜ、肩まで浸かるよう入浴します。
お湯の温度はやや低め(38-40℃くらい)に設定してゆっくりと浸かりましょう。
バスソルト(全身浴用)
無水エタノール(5ml)+ 精油合計 1~5滴 + 天然塩 大さじ2
半身浴法
浴槽に湯を浅めに張り、精油で作ったバスソルトを加えてよくかき混ぜ、みぞおちまで浸かるように入浴します。
心臓などへの循環器への負担が少なく長時間湯につかることができるため、全身をしっかり温めるのに効果的です。
上半身には乾いたタオルをかけて冷えないようにすると良いでしょう。
バスソルト(半身浴用)
無水エタノール(5ml)+ 精油合計 1~3滴 + 天然塩 大さじ2
部分浴法
身体の一部分を温めることで、心身に負担をかけずに血行を良くして全身を温める方法で、体力のない方、体の末端が冷える方や平熱が低い方にお勧めです。
体調がすぐれず入浴できないときや、時間がないときでも気軽に行うことができます。
手を浸ける手浴法と足を浸ける足浴法があります。
バスソルト(部分浴用)
無水エタノール(5ml)+ 精油合計 1~3滴 + 天然塩 大さじ2
つぎ足し用の熱い湯をポッドなどに準備し、温度が下がったら途中で湯を足しましょう。
湯をつぎ足すときは、やけどしないよう一旦手(足浴の場合は足)を洗面器から出し、温度を調節してから再度浸しましょう。
手浴法
両手首まで浸せる深めの洗面器にバスソルトを加え、手首まで湯に浸します。
特に上半身の血行を良くしたいとき、肩こりや頭痛、気分転換にも効果的です。
浸している間、深呼吸して香りを吸入したり、手のひらのツボを刺激するのもよさそうです。
足浴法
足首まで浸せる深めのたらいやバケツ、足浴専用容器などにバスソルトを加え、椅子に座った状態で両足を入れ、くるぶしの上4~5㎝くらいまでを湯に浸します。
全身の血行を良くする効果があり、足のむくみや風邪、足の冷えによる不眠などにお勧めです。
蒸気吸入法は呼吸器系の不調に最適
立ち上る蒸気とともに精油成分を吸入し、呼吸器系の不調を緩和する方法です。
マグカップなど耐熱性の容器に熱い湯(70-80度)を入れ、蒸気が少し落ち着いたら精油(1~3滴)を垂らします。
目を閉じて、立ち上る蒸気を鼻からゆっくりと息を吸い込み、口からゆっくり吐きます。これを3~5分間行います。
特に、鼻やのどのケア、風邪のひきはじめなど呼吸器系の不調に効果的です。
なお、鼻や肺の粘膜や肺の毛細血管から精油成分が体内に取り込まれますので、全身への作用も期待できます。
- 精油成分が刺激になることがあるので、必ず目を閉じて行いましょう。
- 精油の種類によっては粘膜への刺激が強いものがあるため、むせないよう注意しながら行いましょう。
- 長時間行うことは避けましょう。
- 咳や喘息の場合には、蒸気が刺激となり咳を誘発することがあるので行わないようにしましょう。
- やけどに注意しましょう。
- 吸入後の容器を別の用途で使用する場合は、よく洗ってから使いましょう。
吸入法の専用容器を準備することもおすすめです。
トリートメント法はリラクゼーション効果も抜群
精油を植物油で希釈した(薄めた)トリートメントオイルを身体や顔に塗布する方法です。
精油の有効成分を鼻と皮膚の2つの経路から作用させることができ、保湿、整肌、血行促進、筋肉のこりをほぐす、リラクゼーションなどさまざまな効果を得られます。
トリートメントオイルの作り方
精油は直接皮膚につけることができないため、必ず植物油で希釈して用います。
トリートメントオイルとは、精油を植物油で希釈したものを言います。
トリートメントオイルの作り方(出来上がり量 30ml)
準備するもの
- 精油
ボディ用 合計1~6滴 (~1%)
フェイス用 合計1~3滴 (~0.5%)
- 植物油 30ml
- 耐熱性ガラスビーカー
- 遮光性保存容器
- ラベル
作り方
- ビーカーに植物油(30ml)を入れ、精油(ボディ用合計1~6滴、フェイス用合計1~3滴)を香りの好みや強さを確認しながら加えます。
- ガラス棒でよく混ぜ合わせます。
- 遮光性保存容器に移します。
- 作成日や選んだ精油を記したラベルを貼って出来上がりです。
トリートメントオイルの使い方
トリートメントオイルを手のひらに少量取り、手のひらでなじませてから、トリートメントしたい部分に薄く伸ばします。
手のすべりが悪いまま続けていると肌への摩擦が負担になるため、途中で手のひらや指が滑りにくくなったらオイルを足しましょう。
トリートメントオイルも手のひらに取った後、手で包みこむようにして温めてから肌に塗っていくと浸透率がよくなります。
- 感染症や熱のある時、骨折やねんざ、けがのある部位にはできません。
- 新しい傷や炎症のある部位、発疹やかゆみのある皮膚に行うと症状を助長する可能性があるので避けましょう。
- 遮光保存容器のふたをしっかり閉めて冷暗所で保存し、約2週間以内に使い切るようにしましょう。
それだけでも心地よさは実感いただけるかと思います。
おわりに 香りを生活に活かしてみましょう
アロマテラピーはさまざまな方法があります。
ポイント
- 芳香浴法は香りを拡散させて楽しむ方法
- 沐浴法は入浴に精油を取り入れる方法
- 蒸気吸入法は呼吸器系の不調に最適
- トリートメント法はリラクゼーション効果も抜群
なお、上記以外にも、化粧水や美容オイル、乳液やクリームなどスキンケア用品を手作りすることもできます。
自分が取り入れやすい方法でアロマテラピーを楽しんでみてください。
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