薄荷精油(Japanese mint)の香りと効能
おすすめの使い方
どちらもシソ科ハッカ属の植物の総称なの。
今回はその中でも、メントールを多く含むミントの精油(ジャパニーズミント)をご紹介しますね
こんな疑問にアロマセラピストがお答えします
- 薄荷って日本産?どんなミントなの?
- ペパーミントとどう違う?香りの特徴は?
- ハッカに期待できる効果・効能は?
- ハッカをブレンドするコツは?
- ハッカを使用するときの注意点が知りたい。
下記の目次よりお好きな項目からご覧いただくこともできます。
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北海道が主産地の和種ハッカ
和種ハッカ(ジャパニーズミント)はシソ科の多年草。
北海道が主産地で、夏・秋の年に2回、淡い赤紫色の花を咲かせます。
日本でハッカと呼ばれているものには、和種ハッカ、西洋ハッカ(ペパーミント)、緑ハッカ(スペアミント)の3種がありますが、和種ハッカは比較的寒さに強いという特徴があります。
ハッカは古代ギリシャで生薬として利用され、日本には今から2000年以上前に中国を経由して伝わってきたようです。
10世紀には、平安時代の書に「波加(ハカ)」の名で登場し、山菜として平安貴族の食卓に並び、また疲れ目を癒す薬草としても用いられていました。
江戸時代に現在の岡山や広島にて栽培が始まり、明治以降、北海道の北見に生産の基盤が移されました。
爽快な清涼感が愛されるハッカ精油の香り
甘みを含んだ清々しいミントの香りです。
ペパーミントより強い爽快な清涼感があります。
日本のハッカ(和種薄荷/ジャパニーズミント)はペパーミントの1.5倍のメントールを含んでいます。
かつて世界薄荷市場の7割を制したハッカ油
江戸末期に医師として来日したフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト。
19世紀に彼がヨーロッパに紹介し、日本のハッカ(和種ハッカ)は海外でも認知されることとなりました。
その後、和種ハッカは精油(ハッカ油)を得るため、また「ハッカ脳」を得る目的で産業化。
昭和30年代のピーク時は、日本産が世界の生産量の約70~90%を占めるまでに成長しました。
※そのうち8割が北見で生産されたもの。
戦争により一時生産が途絶え、戦後は海外産(ブラジルや中国など)の安価なハッカに押されて衰退しますが、近年再び注目を集めています。
メントールクリスタル(ハッカ脳)はメントールそのもの
和種ハッカの特徴は、メントールの含有量の多さ。
ペパーミントの約45%に対して、和種ハッカは全体の65~85%がメントールで占められています。
このメントールを精油から取り出し、結晶化させたものが「ハッカ脳」です。
ハッカ脳は天然の食品添加物として、医薬品や歯磨き、菓子、飲料、 タバコ、香料、化粧品などさまざまな用途に活用されています。
パワフルな清涼感が持ち味のハッカ精油
日本に自生する和種ハッカ(ジャパニーズミント)。
国内で生産するには、10kgの精油を得るのに300坪の畑が必要なほど希少価値の高い精油です。
メントール成分がペパーミントの1.5倍含まれているので、パワフルな清涼感があります。
透明感のあるクールな香りはストレスを癒し、消化促進・鎮痛作用もあります。
清々しい香りは空気清浄のための芳香浴にも最適です。
抗菌作用により、肌を清潔に保つ働きも期待できます。
学名:Mentha arvensis(和種ハッカ/ジャパニーズミント)
和名:薄荷
科名:シソ科
主な産地:日本、インド、中国 など
抽出部位:全草
抽出方法:水蒸気蒸留法
精油の色:淡黄色
主な成分(目安):ℓーメントール、メントン、イソメントン
※精油の含有成分や割合は、産地や気候などにより異なります。
【心への作用】ストレスを和らげるハッカ油
ハッカ精油にはストレスを和らげる効果が期待できます。
頭をクリアにすっきりさせ集中力を高めたいときやリフレッシュにも適しています。
その他の集中力を高める精油は下記ページでご紹介しています。
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【体への作用】
おなかをすっきり+筋肉のこわばりに
主成分であるメントールは鎮痛作用やかゆみを和らげる作用、のどの炎症を軽減する作用などが期待できます。
トリートメントに加えたりジェルにして塗布することで、鎮痛作用、局所の血流増加作用により筋肉のこわばりや肩こりを和らげることができます。
スポーツ後のクールダウンに役立ちます。
また、消化を助け、消化器系の機能を調整する働きも持っています。
メントールの「ひんやり感」
ペパーミント精油やハッカ精油を肌に使うと冷たく感じることがありますが、実際に温度が下がるわけではありません。
人の皮膚や粘膜には熱さや冷たさを感じる神経があり、メントールが冷たさを感じる神経を刺激することで、温度が下がった時と同じ「冷たい」感覚を感じさせるのです。
【参考】ハウスキーピングにも最適なハッカ油
ドラッグストアで手に入るハッカ油を私は家のお手入れに重宝してます。
下記もあわせてご参考までに。
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【ブレンドのコツ】
香りの強さに配慮し少量を
他の香りを打ち消してしまうほど強い香りのため、ブレンドの際は少量を用いましょう。
ハッカ精油に期待される作用
殺菌作用
収斂(しゅうれん)作用
消化促進作用
鎮痙(ちんけい)作用
冷却作用
他
薬理作用について詳しくは下記ページにて解説しています。
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【必読】アロマテラピーのルール
アロマテラピーを行うにあたっては下記を守りましょう。
アロマテラピーのルール
- 原液を皮膚につけないようにしましょう。
- 精油を飲用しないようにしましょう。
- 精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
- 火気に注意しましょう。
- 子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
- 定期的に使用状況をチェックしましょう。
また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。
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ハッカ油の使用にあたり気をつけること
妊娠初期・分娩前後の使用は控えましょう。
肌の弱い人は低濃度から試してみてください。
おわりに
爽快な清涼感が魅力のジャパニーズミント
薄荷精油は甘みを含んだ清々しいミントの香りです。
透明感のある爽快な香りはストレスを癒してくれるほか、消化を促したり痛みをやわらげる作用などが期待できます。
清々しい香りは空気清浄のための芳香浴やキッチン周りのお手入れにも最適。
ぜひ上手に活用してみてください。
次におすすめの記事はこちら
薄荷精油と相性の良い精油の詳細ページを下記にご紹介します。
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精油は体と心に働きかける力をもっています。
しかしながら、「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」ではありません。
香りを楽しみながら、健康維持・増進、美容を目的にアロマテラピーを取り入れてみてください。
心身の状態が悪い時には速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。