メリッサ(Melissa)の作用とおすすめの使い方
そんな甘いレモンの香りが心身の疲れを癒してくれるわ。
こんな疑問にアロマセラピストがお答えします
- メリッサってどんなハーブ?
- レモンバームってどんな香り?
- メリッサに期待できる効果・効能を教えて
- メリッサと相性の良い精油は?ブレンドのコツを教えて
- メリッサを使うときに気をつけることは?
下記の目次よりお好きな項目からご覧いただくこともできます。
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メリッサはパニック時のレスキューハーブ
メリッサは甘いレモンのような芳香を持つシソ科のハーブで、別名レモンバームとも呼ばれています。
古代ギリシャ・ローマの時代から価値ある薬用植物として重視され、中東地方では強心剤として広く使われていました。
夏の終わりに蜜を持った小さな白い花をつけ、それにはミツバチを引き付ける力があります。
そのため、ミツバチの集まる葉を意味するギリシャ語メリッソプーロンにちなみ「melissa」という属名がつけられました。
メリッサは若返り作用で名高く、万病に効く薬だと重宝されていました。
16世紀、スイスの有名な医学者で錬金術師でもあるパラケルススは、メリッサのことを「生命のエリキシル(不老不死の霊薬、万能薬)」とまで呼んでいたとの記録が残っています。
レモンバームの最大の特徴は、心身のデリケートな状態を穏やかに調節する働きがあること。
ヒステリーやパニックなど自分の心をコントロールできない状態のときに使うと、興奮を鎮め落ち着きをもたらします。
手軽に育てられるので、自分で育てて風通しの良いところで完全に乾燥させてドライハーブを作ると、品質の面で納得できるものが作れるかと思います。
ドライハーブなら、香りが残っているか確かめてから購入するほうが良いです。
一説によると、1kgのメリッサ(精油)を抽出するのに必要な原料植物は4t。
精油が効果なのは、このように葉に含まれる精油の量が圧倒的に少ないためです。
ただし、精油は少量でも十分な効果を発揮します。
芳香浴や香水やコスメを手作りすれば、甘いレモンのような香りが心臓の働きを高めて疲れを取り除いたり、乱れた心をリラックスさせる力を発揮してくれます。
参考
昔から強心剤、生命力を強化する万能薬として知られていたメリッサ
14世紀にフランスのカルメル会修道女たちはこの植物の薬効を利用するのにメリッサ水という薬酒を作っていました。
この薬酒はペストの予防や気付けにも使われていたそう。
なお、エリザベス朝時代には、この葉は初めにワインづくりに、のちには家具を磨くのに用いられました。
ハーブティーとしても飲みやすいメリッサ
リラックスしたいときに役立つハーブで就寝前におすすめです。
また、ストレスによるイライラや不安で昂ぶってしまった気持ちを穏やかに落ちつかせてくれます。
メリッサは疲れた気持ちを癒す清涼感のある香り
メリッサは、はちみつのような甘さを纏う爽やかなレモンっぽい香りです。
フレッシュでレモン様の香りを持つ精油はいくつかありますが、多くは時間経過に伴いツンとした刺激が感じられます。
その中において、メリッサはみずみずしく透明感のある香りが持続します。
清涼感のある香りは心を冷静にして、穏やかな気持ちをもたらします。
メリッサ精油に期待できる作用とは
優れた鎮痛作用、また、心臓を強壮する作用や抗アレルギー作用が特徴です。
憂鬱なふさぎ込んだ気持ちを脱して心と体の不調を癒し、生きる力を回復させる精油といわれています。
高価な精油ですが、1~2滴で十分に効果を発揮します。
精油中の約半分を占めるアルデヒド類(シトラール、シトロネラ―ルなど)には鎮静作用がありますが、皮膚刺激もありますので使用濃度に注意しましょう。
学名:Melissa officinalis(メリッサ オフィキナリス)
和名:セイヨウヤマハッカ
科名:シソ科
主な産地:フランス、地中海地方 など
抽出部位:葉、花
抽出方法:水蒸気蒸留法
精油の色:薄い黄色
支配星:木星
主な成分(目安):
アルデヒド類(シトラール、シトロネラ―ル)
テルペン系炭化水素(β-カリオフィレン、ゲルマクレンD)
テルペン系アルコール(ゲラニオール、ネロール)
※精油の含有成分や割合は、産地や気候などにより異なります。
【パニック時にも】メリッサに期待できる心への作用
昔、メリッサ(ハーブ)は心や感情などと結びつく力が強いとされ、神経に起因するさまざまな不調に用いられました。
メリッサの香りは心と体に穏やかさをもたらし、気分を鎮静させながらそれを明るく高め、感情のバランスを回復させるよう働きます。
過敏な心の状態を正常にする働きがあるため、ショックやパニックを起こしやすい精神状態やヒステリーなどの緊急時にも、冷静さを取り戻して穏やかな気持ちにしてくれます。
また、心を閉ざす障害物を取り除き、人にポジティブな明るい見通しを持たせてくれます。
時に、家族や近親者を失った人々を慰め、失った物事を直視するのを助け、明るい人生観を少しづつ人の心に浸透させていくようにしてくれるといわれています。
感情の振れ幅が大きくコントロールができないように感じるとき、胸が締め付けられるように苦しくてたまらない、打ちひしがれたような気持のとき。
また、それらの気持ちに起因する動悸やパニック、めまい、頭痛、不眠にいいとされています。
利用方法:芳香浴法、沐浴法、トリートメント法、ルームフレッシュナー など
ストレスに起因する循環器・消化器などの不調を軽減
胆汁分泌など消化機能を高め、ストレス性の消化不良、吐き気などの消化器系の症状の改善に役立ちます。
ストレスからくる不眠のほか、首や肩の凝りからくる頭痛にもよく、トリートメントもおすすめです。
循環器系の不調の改善にも使われてきた歴史があり、血圧を下げたり、心拍を落ち着かせたりといった効果が期待できます。
また、胃痛や月経痛など痛みの軽減に役立ち、月経周期を整える作用も持っています。
利用方法:芳香浴法、吸入法、沐浴法、トリートメント法 など
アレルギー性の肌のケアやヘアケアに
抗炎症作用があるため、炎症を起こした肌のケアやアレルギー性の肌の状態を整えるときにも活用できます。
また、油っぽい毛髪の皮脂を抑えたり、脱毛を予防する作用も期待できます。
ヘアケアにはシャンプーに混ぜて使用するとよいでしょう。
肌のかゆみの軽減にはメリッサのフローラルウォーターも役に立ちます。
また、昆虫忌避剤としても有効で虫よけ作用が期待できるほか、虫刺されを鎮静させる力もあります。
利用方法:手作りコスメ(シャンプー、化粧水)など
ブレンドのコツ レモン様の香りとも高相性
香りのタイプ:柑橘系
香りのノート:ミドル
香りの強さ:中
相性のよい精油:柑橘系全般、ローマンカモミール、ゼラニウム、スイートマジョラム、ラベンダー、ローズウッド、ローズ、ローズマリー、イランイラン、ジャスミン、ジンジャー、ネロリ、バジル、フランキンセンス など
柑橘系、花、ハーブ、樹木の葉の精油とよく調和します。
レモン、レモングラス、シトロネラなどレモンっぽい香りを持つ精油とも好相性です。
メリッサに期待される作用
催眠作用(睡眠促進作用)
血圧降下作用
胆汁分泌促進作用
鎮静作用
鎮痙作用
鎮痛作用
強心作用
強壮作用
駆風作用
健胃作用
抗アレルギー作用
抗菌作用
抗ウィルス作用
抗鬱作用
抗炎症作用
子宮強壮作用
発汗作用
他
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【必読】アロマテラピーのルール
アロマテラピーを行うにあたっては下記を守りましょう。
アロマテラピーのルール
- 原液を皮膚につけないようにしましょう。
- 精油を飲用しないようにしましょう。
- 精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
- 火気に注意しましょう。
- 子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
- 定期的に使用状況をチェックしましょう。
また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。
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メリッサの使用にあたり気をつけること
月経を正常にする働きがあるため、妊娠中は使用を避けましょう。
皮膚刺激の可能性がありますので、敏感肌の方は低濃度で使用するか使用を控えましょう。
作用が強いので少量(0.5%以下の濃度)で十分な効果を得られます。
緑内障の方への過度の使用は避けましょう。
おわりに レスキューハーブ・メリッサ(レモンバーム)
メリッサ(レモンバーム)は、パニックやヒステリーなど自分がコントロールできないように感じる時にも、冷静さを取り戻して穏やかな気持ちをもたらしてくれる精油です。
また、心を閉ざす障害物を取り除き、人にポジティブな明るい見通しを持たせてくれます。
ストレスからくる消化器や循環器、婦人科系の不調を改善するよう働きかけるほか、肌へはアレルギーや炎症を軽減する効果が期待できます。
精油はもちろんのこと、ハーブティーでも穏やかながら同様の効果が期待できます。
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精油は体と心に働きかける力をもっています。
しかしながら、「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」ではありません。
香りを楽しみながら、健康維持・増進、美容を目的にアロマテラピーを取り入れてみてください。
心身の状態が悪い時には速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。