オリーブオイルとオリーブスクワラン
効果・効能とおすすめの使い方
便秘、高血圧、心臓病、動脈硬化などを予防に役立つといわれているわ。
でも、実はスキンケアにも長く使われてきた歴史があったって知ってた?
筋肉をほぐし痛みや疲労を緩和する作用があるから、古代ギリシャの競技者は試合前後に好んで使っていたそうよ。
今回は、オリーブオイルをスキンケアに使うケースについて見てきましょうね。
こんな疑問にアロマセラピストがお答えします
- オリーブオイルをスキンケアに使えるって本当?
- 食用オイルを肌に使っても大丈夫?
- エクストラバージンオイル?ピュアオイル?その違いは何?
- オリーブオイルが固まっちゃった!もう使えないの?
- 「局方オリーブ油」ってどんな使い方ができるの?
- オリーブオイルがヘアケアに使える?スキンケアでの使い方を知りたい。
- オリーブオイルに期待できる肌への効果を知りたい。
- スクワレン?スクワラン??どんな使い方ができる?
- 赤ちゃんには使える?オリーブオイルを使うときに気をつけることを教えて。
オリーブオイルを、食事だけでなくスキンケアにも使いこなせるようになりますよ。
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オリーブの木は「幸運と恵みと平和のシンボル」
オリーブはモクセイ科の常緑高木です。
樹齢15年過ぎから果実をつけはじめ、その後100年以上実らせ続けます。
寿命は長く、樹齢1000年を超える古木も現存します。
オリーブの葉や果実、油は、外用薬や香油として利用されてきました。
また、食用としても用いられ、地中海地方では民間療法の薬として用いられてきました。
オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸に、リノール酸と同じく血中脂肪レベルを下げる働きがあることがわかってきています。
オリーブオイルのメリットは、一価の不飽和脂肪酸であるオレイン酸の含有量が高いこと。
地中海諸国では、オリーブオイルが主要な脂肪源として料理によく使われています。
これらの地域では、心臓・循環器疾患がドイツよりも少ないというデータがあります。
【オリーブオイルのグレード】
最高級 エクストラバージンオリーブオイル
オリーブオイルにはいくつかのグレードがあります。
オリーブの果実を搾ってろ過しただけの、なんら化学的処理を行わない一番搾りのオイルを「バージンオリーブオイル」といいます。
バージンオリーブオイルはさらに4つのグレードに分類され、上から「エキストラバージン」、「バージン」、「オーディナリーバージン」、「ランパンテバージン」の順に区別されます。
中でも「エキストラバージンオリーブオイル」は最高級のオリーブオイルです。
そして、バージンオリーブオイルと精製したオリーブオイルをブレンドしたオイルを「オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)」といいます。
以前は、ピュアオリーブオイルと呼んでいましたが、現在では単にオリーブオイルと表示することになっています。
スキンケアに使うオリーブオイルは、化粧用として販売されている「エクストラバージンオリーブオイル」を選びましょう。
栄養価の高さから美容目的にも使われるオリーブオイル
食用としてポピュラーですが、その栄養価の高さから美容や医療の目的にもよく用いられるオリーブオイル。
アボカドオイルと同様で、オイルは種ではなく果肉から採取します。
人の皮脂成分でもあるスクワレンを含み、保湿力が高く、衰えが気になる肌や乾燥肌に最適。
オレイン酸やビタミンEを多く含み、しっとりとした使い心地で肌の老化を防ぐ作用があります。
肌を柔らかくし、炎症を抑え、肌を優しく保護します。
肌に優しい石鹸の材料としても人気です。
オリーブオイルは、寒冷時に一部又は全部が固まったり濁りが出ることがありますが、品質には変わりありません。
そのような場合は、容器を温湯で温め、溶かしてから使用するようにしましょう。
なお、肌へ使用する場合は食用のものではなく、アロマテラピーショップや薬局で化粧品や医薬部外品として販売されているものにしましょう。
化粧用オリーブオイル(精製)、局方オリーブ油(一般医薬品)、オリーブスクワランは、どれも精製・脱臭され、ほぼ無臭であり単品でも使えます。
なお、オリーブ特有のにおいが気になるときは、香りのよいほかのキャリアオイルとブレンドしましょう。
学名:Olea europaea(オレア エウロパエア)
科名:モクセイ科
主な産地:イタリア、スペイン、ギリシャ、地中海沿岸地域 など
抽出法:果肉の低温圧搾法。
色:淡黄色~緑
浸透性:普通
感触:やや粘性があるが、軽いものもある。
香り:栽培地域や精製の度合いによって異なる。
ほぼ無臭のものがあれば、オリーブ果実特有の香りがするものもある。
こんなときに:体の疲れと痛み、肌や髪のお手入れに。
おすすめの肌質:乾燥肌~普通肌、老化肌
使用期限の目安:開封後、4か月から半年。
オレイン酸が多く酸化しにくいキャリアオイルです。
購入のポイント:精製度が高いものはアロマテラピー専門店、薬局などで購入できる。
価格差が大きい。
果肉から得るため、農薬残留がないようオーガニックはおすすめ。
保管方法:ふたをしっかりと閉め冷暗所で保管。
寒冷時に一部またはすべてが固まってしまうことがありますが、品質の劣化はありません。
温め溶かして使用できます。
主要成分(参考):
オレイン酸 75%
リノール酸 10%
飽和脂肪酸 15%
微量成分 0.5~1.5%
(フェノール化合物、α-トコフェロール、ビタミンEなど)
※主要成分は産地や抽出法により異なります。
食用はなぜダメなの?オリーブオイルの選び方
食用のオリーブオイルは毒性物質は取り除かれていますが、ある程度の不純物が残っています。
なぜなら、味覚物質は不純物に含まれ、すべて取り除かれると味がなくなってしまうから。
食用のオリーブオイルでも問題なく使える人もいますし、肌に合うかは個人差があります。
ただ、食べる分には問題ない不純物も肌に付着すると刺激になるものがあるので、刺激物質が取り除かれた化粧品グレードのものはより安心です。
なお、化粧品グレードの中でも、精製と未精製では性質が少々異なります。
未精製のものは精製したものよりも栄養価が高い反面、香りも強いなどデメリットもあります。
下記を参考に、用途やご自身の肌質にあったものを選んでみてください。
オリーブオイル(精製)のメリット・デメリット
- 無色無臭でくせがなく、アレルギ―を引き起こす可能性が低い。
- 化学物質の溶剤が残留している可能性はある。
- 精製過程により価値の高い油脂微量成分が損なわれている。
- ほぼ無臭で単品でも使用できる。
- 使用期限は未精製と比較すると少々長い。
オリーブオイル(未精製)のメリット・デメリット
- 栄養価は豊富。
- オリーブの果実特有の香りと色がある。
- 香りに癖があるためブレンドが必要
- 含まれる不純物が敏感肌を刺激する可能性がある。
乾燥肌に潤いを与え、しわを予防するオリーブオイル
オリーブオイルはオレイン酸やビタミンEを豊富に含み、しわや妊娠線予防などの乾燥対策に適した保湿力抜群のオイルです。
乾燥しがちで血行が悪く、ひび割れや鱗屑(皮膚表面がフケ状にはがれおちる状態)の出る肌に適しています。
また、オリーブオイルには紫外線によるメラニン産生を抑制する作用があることが、下記の実験結果から示唆されています。
なお、精製の度合いにもよりますが、オリーブオイルは香りが強いので他のキャリアオイル(ホホバオイルなど)と全体の20~25%だけ混ぜて使います。
オリーブオイルの使い道(スキンケア編)
- 乾燥肌・老化肌のお手入れ(美容オイル)
- 妊娠線の予防に。
- 乾燥肌を優しく保護、柔らかさを保ち、しわやシミを予防。
- ネイルケアに(ネイルオイル)
- ヘアケアに(頭皮クレンジング、シャンプー、ヘアパック)
- 肌を保湿しつつ汚れを落とすメイク落とし(クレンジング)に
- 虫刺され後や皮膚の炎症、かゆみを緩和。
- 栄養価が高く、美容や石鹸の材料にすると保湿力が高く乾燥肌に最適
オイルをスキンケアに使うときにはその量が大切です。
本来、皮脂は自然に分泌されるもの。
オイルを塗りすぎるとニキビの原因になったり、酸化による肌の老化を促進させる可能性もあります。
1回1~2滴を顔全体に薄く広げるようにつけるのが理想です。
スカルプケアの方法やその際の精油選択について、詳しくはこちらでご紹介しています。
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オリーブオイルの使用にあたり気をつけること
目に入るとしみてとても痛いので、スキンケアやフェイシャルトリートメントで使用するときは注意しましょう。
ごくまれですが、アレルギー反応を起こすことがあります。
心配な方は医薬品のオリーブオイルを選ぶか、事前にパッチテストを行ってください。
アレルギーを起こした事例については下記リンク先をご参照ください。
一般医薬品のオリーブオイル その効果・メリットは?
オリーブオイルは「一般用医薬品(第3種医薬品)」としても販売されています。
化粧品として販売されているオリーブオイルをさらに精製し、わずかな不純物さえ取り除いてあります。
医療用に用いられるため、最も純度が高く、安定性を重視して作られています。
下記の効能が記載されています。
- 皮膚の保護
- 日焼け炎症の防止
- やけど
- かぶれ
敏感肌の方、アレルギーが気になる方は、医薬品として販売されているオリーブオイルを選ぶと良いでしょう。
オリーブスクワランとは?+使い方
スクワレンは、深海にすむサメ類の肝油や、オリーブオイル、小麦胚芽油に含まれる貴重な保湿成分です。
人の皮脂中にも約5%ほど含まれています。
オリーブオイルからスクワレンという成分を蒸留し、水素を添加して安定度を高めたものがオリーブスクワランです。
ベタつきが少なく浸透力が高く、軽い感触でなめらかに滑ります。
スクワレンは人の皮脂に含まれているものの、30歳を過ぎると加齢とともに失われてしまう成分。
オリーブスクワランで補うことにより、肌をしっとりと保ちます。
また、肌をなめらかにして代謝をよくし、老化を防ぎます。
オリーブオイルより高価ですが、さらさらした肌触りで刺激が少ないため、敏感肌の人にも安心です。
空気中でもほとんど酸化いない、無色無臭というメリットもあります。
なお、敏感肌の人は念のため、広範囲に使用する前に事前にパッチテストを行いましょう。
オリーブスクワランはトリートメントサロンで好まれます。
理由は酸化しにくく、無臭で扱いやすいオイルだから。
お洗濯しても植物油がわずかに残っているとタオルから酸化臭がしてきてしまいますので、酸化しにくく伸びが良いスクワレンは使いやすいのです。
【必読】アロマテラピーのルール
精油を用いる(アロマテラピーを行う)場合は下記を守りましょう。
アロマテラピーのルール
- 原液を皮膚につけないようにしましょう。
- 精油を飲用しないようにしましょう。
- 精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
- 火気に注意しましょう。
- 子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
- 定期的に使用状況をチェックしましょう。
また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。
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おわりに オリーブオイルで「保湿+アンチエイジング」
オリーブオイルは、おいしく健康に食べられるだけでなく、スキンケアにも活用できます。
保湿効果に優れ、肌を柔らかく保ち、しわやしみ、妊娠線の予防に役立ちます。
なお、選ぶときには化粧品として販売されているエクストラバージンオイルを選ぶことがポイント。
敏感肌の方、アレルギーが気になる方は医薬品グレードのものやオリーブスクワランを選びましょう。
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