ローズヒップオイル(Rose hip oil)に
期待できる作用と使い方
じゃあ、できたシミや傷跡を薄くしていく効果を期待できるキャリアオイルってありますか?
個人差はあるけれど、しみ、しわの改善や美白効果は抜群よ。
こんな疑問にアロマセラピストがお答えします
- 美白作用を期待できるって本当?ローズヒップオイルの効果、効能を教えて
- 乾燥肌には使える?どんな肌質に向いているオイル?
- どんな使い方が適しているか知りたい。
- 使い方、購入にあたって注意することは?
ローズヒップの美肌効果を生かす方法を学ぶと、年中「潤う白肌」をキープできるようになっちゃいますよ。
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ローズヒップは山岳地帯に自生する野ばらの一種
ローズヒップは、南米に自生する野ばらの一種です。
別名「ドッグローズ」とも呼ばれ、昔、狂犬病の犬にかまれたときに使われていました。
夏の終わりに実り、秋に赤く熟す楕円形の緋紅色の実をつけます。
最大の特徴は、この実にレモンの20~40倍のビタミンCを含むこと。
手榴弾のような実の形状から、「ビタミンCの爆弾」との名で知られています。
乾燥させたのち実と種に分けられ、実は食用に、種からはオイルを抽出してスキンケアに使われます。
実は、ストレスや炎症によって消耗したビタミンCを補給することで感染症を予防したり、疲労回復、便秘などに役立ちます。
ジャムやシロップ、ハーブティーやサプリメントとして利用されます。
ハイビスカスの酸味をローズヒップがまろやかに飲みやすくしてくれます。
また、はちみつとをかけたヨーグルトに混ぜて食べるとビタミンCを丸ごと取れるのでお勧めです。
ビタミンCは水に溶ける性質をもち、また熱に弱い性質も持っているため実は上手に摂ることは難しいです。
なお、ローズヒップはそれ自体がビタミンC源を多く含みますが、さらにビタミンCの吸収を助ける酵素、バイオフラボノイド類も豊富に含まれているのでビタミンCの吸収率を高めることができます。
美肌効果に優れた美容液のようなオイル
ローズヒップオイルは、皮膚を再生、しわや老化を防ぐアンチエイジング効果に優れた美容オイルです。
α-リノレン酸やリノール酸、ビタミンAを多く含み、若返り効果や美白効果が期待できます。
そのため、肌の再生が促進されることによる美白作用、傷跡を薄くする作用が期待できます。
また、ビタミンAはコラーゲンの生成に役立ちます。
細胞膜の構成成分であるγ-リノレン酸も含まれ、皮脂膜を形成してバリア機能を強化し、皮膚の乾燥を防ぐ作用をもちます。
皮脂分泌を調整しバリア機能を高めることでニキビや吹き出物を減らしたり、シワやニキビ跡を薄くして、くすんだ肌に美白効果をもたらします。
乾燥肌や老化肌、たるみ肌、やけどや日焼け肌の改善にも有効です。
なお、優れた美肌効果を発揮する必須脂肪酸ですが、不安定であるため酸化しやすい点には注意が必要です。
抗酸化作用のある植物油を10~20%ブレンドして冷蔵庫で保管するようにしましょう。
特有の香りがあるため、香りが少ないものを求める方は精製されているものを選びましょう。
未精製のものを購入し香りが気になるときは、精油を加えて使うと香りが良くなり、相乗効果も期待できます。
学名:Rosa rubiginosa(ロサ ルビギノサ)
Rosa canina(ロサ カニナ)
Rosa moschata(ロサ モスカタ)の3種類から油をとる
主な産地:チリ、ペルー、アメリカ など
抽出法:種子を低温圧搾、もしくは溶剤抽出
※圧搾法で抽出されるものの方が高品質です。
浸透性:普通
感触:粘性が高く、ねっとりとしたテクスチャー
香り:独特の香りあり。かすかな脂っぽい香り。
こんなときに:肌の若返り、しみ、しわ、色素沈着の予防・改善
おすすめの肌質:老化肌、乾燥肌、日焼け後の肌、傷ついた肌
使用期限の目安:開封後、約3週間程度。
購入のポイント:酸化しやすいので少量づつの購入がベスト。
保管方法:開封後は冷蔵庫に保管し、3週間以内に使い切るようにしましょう。
主要成分(一例):
リノール酸 43.6%
α-リノレン酸 36.2%
オレイン酸 13.4%
その他 6.8%
※主要成分は産地や抽出法により異なります。
一方、未精製のものの方が栄養価は優れています。
オイルを液状のまま閉じ込めているカプセルタイプであれば、使いたいときに必要量を割ってキャリアオイルに加えることができます。
酸化させてしまうことがなく安心して使えます。
ローズヒップオイルはフェイスケアに最適
フェイスケア、アイケアに最適のオイルです。
顔全体に2~3滴が目安。
化粧水の後、2~3滴を手に取り温めたら、顔全体を覆うように包んでなじませましょう。
目の周りなど特に気になるところには、直接薄く塗りこみましょう。
ローズヒップオイルのみでも美白効果は高いですが、精油を加えると相乗効果が期待できます。
ローズヒップの美白オイル(フェイス用)
また、使用している美容液やクリームに1~2滴加えることで、保湿効果を高めることもできます。
そのほか、他のオイルとブレンドしてフェイスマッサージに使うのもおすすめです。
ブレンドには、抗酸化力が高く美容効果も優れたアプリコットカーネルオイル、ホホバオイル、アボカドオイルなどがお勧めです。
紫外線の強い季節や秋や冬の乾燥時期に適しています。
なお、酸化しやすいため、ミツロウクロームなど加熱したり長期保存するコスメにはあまり向きません。
未精製のものは服やタオルの着色に注意しましょう。
ブレンドに適した精油やキャリアオイルについては下記をあわせてご参照ください。
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参考 酸化しやすいオイルは朝使うと良くない??
酸化しやすいローズヒップオイルやイブニングプリムローズオイル。
書籍によっては、酸化しやすいオイルは日中の紫外線で酸化してしまい肌トラブルを引き起こす可能性があるため、朝の使用を控えるようにと書いていたりします。
実験的に、私はローズヒップオイルを朝夕のスキンケアで使用してみましたが、肌荒れやシミは今のところありません。
※スキンケアの最後に日焼け止めは使っています。
なお、高品質でナチュラルなスキンケアブランド「trilogy(トリロジー)」は、代表製品であるローズヒップオイルについて、朝夕使用するように勧めています。
ニュージーランドの強い紫外線でもオイル焼けを起こしたとの報告はないそう(詳しくは下記リンク先へ)。
個人差があるかもしれませんが、ご参考までに。
トリロジーの商品はコスメキッチンで取り扱いがあり、私が行った店舗ではテスターも用意されていました。
香りや使用感が気になる方は、事前に店頭で確認されると安心ですよ。
【必読】アロマテラピーのルール
精油を用いる(アロマテラピーを行う)場合は下記を守りましょう。
アロマテラピーのルール
- 原液を皮膚につけないようにしましょう。
- 精油を飲用しないようにしましょう。
- 精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
- 火気に注意しましょう。
- 子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
- 定期的に使用状況をチェックしましょう。
また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。
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おわりに ローズヒップで健やかな美肌をキープ
ローズヒップオイルは、優れた美肌効果が期待できるオイルです。
ココがポイント
- フェイスケアやアイケアに最適!美容液のようなキャリアオイル
- しみ、しわ、くすみ、ニキビ跡、乾燥肌、たるみなど加齢や生活環境の悪化による肌の衰えを改善。
- 香りが気になるときは、美容効果の高い精油(ラベンダーやフランキンセンスなど)を加えると良い。
- 酸化しやすいオイルなので、少量ずつ購入する。
- 開封後は密閉して冷蔵庫で保管。3週間以内に使い切る。
- 抗酸化作用のある植物オイルと混ぜて使うと良い。
紫外線が気になる季節には、ハーブティーでビタミンCを補うと美肌効果を高めてくれます。
スキンケアにもインナーケアにも、ローズヒップを上手に活用してみましょう。
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フェイス用の美容オイルとして精油を加えて使いたい場合は、0.5%のトリートメントオイルを作りましょう。
作り方は下記ページをご参照ください。
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