サンダルウッドの香りと働き
おすすめの使い方
※この記事は2021年2月26日に更新されました。
「サンダルウッドってどんな香りなんだろう?」
「サンダルウッドにはどんな効果・効能が期待できるの?」
この記事ではそんな疑問に答えます。
精油は目的があって作られる薬とは違い、植物が生き抜くために体内で作りだしたもの。
数十から数百の香り成分(芳香成分)で構成されていて、そのために期待できる効果は多岐にわたります。
そのため、
「殺菌作用、鎮静作用、血行促進作用・・・1つの精油なのになんでこんなにたくさんの作用があるの?」
「リラックス向きの精油ってたくさんあるみたいで、結局どれを選べばいいのかわからない!」
と、悩むこともあるかと思います。
そこで、最初に私自身がサンダルウッドを選ぶときの目安をご紹介してから、サンダルウッドの解説をしていきます。
では、早速参りましょう。
今回解説している内容は下記の目次よりご確認いただけます。
目次よりお好きな項目を選んでご覧いただくこともできますので、ご活用くださいませ。
[toc]
【専門家の視点で選ぶ】
私がサンダルウッドを検討するケース
サンダルウッドは高価な精油の一つ。
ラベンダーと比較すると約3倍の価格です。
サンダルウッド・インド精油/Sandalwood India 1滴36.6円
ラベンダーフランス精油/Lavender France 1滴11円
※価格は下記リンク先の税込価格を参考にさせていただきました。
1滴=0.05mlとして3mlを60滴で計算しています。
【参考】
サンダルウッド・インド精油/Sandalwood India - 生活の木 オンラインストア (treeoflife.co.jp)
ラベンダーフランス精油/Lavender France - 生活の木 オンラインストア (treeoflife.co.jp)
そのため、他の精油で代用可能なケースのみために、私がサンダルウッドを選ぶことはありません。
例)
痰が絡んだりのどがイガイガするといった呼吸器系の不調を和らげる目的
→殺菌力に優れ、去痰作用をもつティートリーやローズマリー・シネオールを検討。
※去痰(きょたん)作用とは、過剰な粘液(たん)を排出して除去する作用です。
膀胱炎など泌尿器系のトラブルへのアプローチ
→腎機能を高め、利尿作用を持つジュニパーベリーやサイプレス、ゼラニウムを検討。
そのため、サンダルウッドの「香りがとても心地よく感じるとき」、もしくは「心理面への作用」で検討しています。
「心地よく感じる=心身がその香りを求めている」と考えるので、迷わず使います。
また、心への働きかけはサンダルウッド特有のもの。
私は、下記のようなケースでサンダルウッドを選択します。
自分と向き合う時間を作りたい、瞑想の時間をもちたいとき。
「自分の中に答えを見つけたい」という迷いがあるとき。
慌ただしい毎日でグラウンディングがしたいと思うとき。
過去にとらわれすぎているなと感じるとき。
頭に上がりすぎたエネルギーを下げて循環をよくし、エネルギーの充実を図りたいとき。
上記のようなケースでサンダルウッドを使うと、忙しさは変わらなくても不思議と心に余裕ができたり、思考の堂々巡りを手放せたり、エネルギーが充実するせいか外出時に疲れにくくなったり・・・といったポジティブな変化があります。
個人差はあるかと思いますが、ご参考までに。
サンダルウッドってどんな植物?
ポイント
サンダルウッドはビャクダン科の半寄生性の植物。
生育までに時間がかかる(精油を得るには樹齢50年以上の木が必要)。
インド産のサンダルウッドは乱獲によって絶滅に瀕し入手は困難に。
近年はサンダルウッド・オーストラリア(近縁種)やニュージーランド産が流通している。
サンダルウッドはインド原産の熱帯性常緑樹です。
樹高は4~9mほど、標高600~1000mの乾燥地で育ちます。
緑の葉をつけて光合成をおこないますが、実は半寄生性植物。
発芽後1年だけ自生し、あとは寄生根(きせいこん)を出しほかの植物の根に寄生、養分を得ながら成長します。
木部だけでなく樹皮や根、葉にも芳香成分が含まれるため、木全体が香ります。
樹齢50~80年になったら、黄褐色の心材から精油を得ます。
心材とは
心材(しんざい)とは幹の中心部分です。
サンダルウッドを伐採し地面に倒しておくと、いろいろな虫が木の辺材(へんざい/樹皮に近い部分)を食べ、精油の含まれた直径10cmほどの心材が残ります。
これを削り、おがくずのようにしたものを水蒸気蒸留して精油を得ます。
インドのマイソール産のものが最上の品質とされていますが、近年は乱伐のため収穫量が激減。
(下記のマップはインド・マイソール地方を示しています。)
現在サンダルウッドは絶滅危惧種に指定され政府の管理下にあり、入手は困難です。
代用として、オーストラリアの近縁種(Santalum spicatum)が利用されています。
のちほど、サンダルウッド・オーストラリアとサンダルウッドを販売しているアロマブランドについても詳しくお伝えします。
【歴史】「涼を呼ぶ木」サンダルウッド
概要
この章では、サンダルウッドが世界中でどのように使われてきたかを説明しています。
その香りは怒りや興奮、物事に対する執着を断ち、囚われの心を解放する働きがあるとされ、インドでは「涼を呼ぶ木」と呼ばれていました。
4000年以上前から、ヒンズー教をはじめ多くの宗教において、儀式や瞑想時の薫香に使用されてきたサンダルウッド。
薫香(くんこう)とは
芳香植物を煙で燻(いぶ)して香りを漂わせる方法。
サンダルウッドは強い鎮静作用をもつことから、精神統一の目的で瞑想に使われてきました。
サンダルウッドは寺院で焚かれるお香の原料として欠かせない存在であり、怒りを鎮め、物事への執着を断ち、心身のバランスをとる手助けになる香りです。
日本では線香、あるいは、彫刻木材や扇子の素材としても知られています。
エジプトではミイラの防腐剤、インドでは寺院の建材に利用されました。
虫(特にアリ)を寄せ付けない作用があり、家具の材料や仏像、仏具にも使われています。
また、この植物はインドの伝統医学であるアーユルヴェーダで、何世紀にもわたって万能薬として使われてきました。
次はサンダルウッドの和名を覚えやすいよう、他の香木と合わせて説明します。
お香のはなし【伽羅・沈香・白檀のちがい】
ポイント
サンダルウッド=白檀(びゃくだん)
沈香(じんこう)はビャクダンとは違う香木(こうぼく)
沈香の中でも最高級のものを伽羅(きゃら)という
「サンダルウッドは白檀?伽羅とはちがうの?」
伽羅(きゃら)や沈香(じんこう)など、漢字だとまぎらわしいですよね。
結論からいうと「サンダルウッド=白檀」であり、沈香や伽羅は別の香木です。
お香やお線香に使われている香料は科学的に合成されているものもありますが、伝統的な香りのものは天然香料が使われています。
ここでは覚えやすいよう、昔から使われている天然香料について少しご紹介しておこうと思います。
老山白檀(ろうざんびゃくだん)
白檀(びゃくだん)はサンダルウッドという植物そのものを指します。
線香の香りとして仏教の伝来とともに普及し、長年親しまれてきました。
そのほのかな甘さのある優しく品のある香りに魅了され、白檀そのものに細工を施した数珠や扇子も多くの人々に愛されています。
ビャクダンの中でも最上級の香りを持つことで有名なのが、インドのマイソール地方で産出される「老人白檀(ろうざんびゃくだん)」です。
しかしながら、外気にさらしたままにしておくと香りが薄れてしまうので、保存や管理には気を配る必要があるそうです。
伽羅(きゃら)・沈香(じんこう)とは?
沈香(じんこう)は、熱帯アジア原産でジンチョウゲ科の常緑高木です。
風雨や病気・害虫などによって木部が傷つくと、それを治すために植物自身が樹液を出します。
この樹液が固まって樹脂となり、長い年月をかけ熟成されて香りを放つようになったものが沈香です。
原木は軽く水に浮くのですが、樹脂によって比重が増し水に沈むようになることからその名がつけられました。
沈香は香りの種類、産地などによっていくつかの種類に分類されます。
沈香の中でも特に質の良いものは伽羅(きゃら)と呼ばれます。
伽羅も非常に貴重なもので、沈香と伽羅も白檀と同様にワシントン条約によって保護されています。
参考:インドのお香チャンダンとは?
ポイント
サンダルウッド=チャンダン
チャンダンという名で販売されているお香は、白檀以外もブレンドされている模様。
サンダルウッド(白檀)をサンスクリット語で「チャンダン」といいます。
とはいえ、ローズの香水がローズ精油のみでできているわけではないように、チャンダン(白檀)もまたさまざまな香料がブレンドされて作られているようです。
ご参考までに。
【サンダルウッドはどんな香り?】
落ち着きや静けさをもつ深い甘さが特徴
ウッディーで甘く、崇高でエキゾチックな香りです。
寺院のお香の香りで東洋人にはなじみがあり、男性にも好まれます。
静かに香りたち、持続する残り香は上品な甘みや趣を感じさせます。
他の樹木の精油と比較すると、優しさや落ち着き、重厚感があるのが特徴です。
和の雰囲気は和室に合うほか、重厚感はクラシックなインテリアにもマッチします。
深い安らぎをもたらすサンダルウッドは寝室にも向きますし、ヨガや瞑想を行うときの芳香浴にも適しています。
【ほかの樹木系の香りとどう違う?】
サイプレスやシダーウッドとの違いは?
ポイント
サンダルウッドは樹木系の精油の中でも重さがあり、香りの持ちがよい傾向がある(ベースノート)。
「香り立ちが静か、深い落ち着きと甘く優しい残り香」がサンダルウッドの特徴。
「サンダルウッドとシダーウッド、香りはどう違うの?」
同じ樹木系であり、落ち着いた雰囲気を持つサイプレスやシダーウッドとの違いはわかりにくいですよね。
ここでは、落ち着いた雰囲気を持つ樹木系の香りとの違いを考えたいと思います。
【サイプレス】
森林浴をしているような清々しいヒノキの香り
科名:ヒノキ科
香りのノート:トップからミドル
香りの印象:クリアでしみとおるような香り。スパイシーで清々しいウッディーな香り
森林浴をしているような清々しさの中にややスパイシーさもあり、都会的でスマートな印象です。
「重厚感・クラシック」がキーワードとなるようなサンダルウッドの香りと比べると、シャープで清々しく、軽やかさも感じられます。
【シダーウッド・アトラス】
優しく華やかさも感じられるマツの香り
科名:マツ科
香りのノート:ミドルからベース
香りの印象:優しく華やかさがある木の香り。
シダーウッド・アトラスは、サンダルウッドよりドライで、わずかに樟脳(しょうのう)のような香りが感じられます。
樟脳は昔から衣類の防虫剤に使われてきた香りです。
サンダルウッドの静かにゆっくり香っていくところも、シダーウッドとの違いです。
困難な時にやり抜く強さを与えてくれます。
サンダルウッド、シダーウッドはいずれも神秘的な力をもつ香りですが、香りを嗅いでみて心地よく感じる方を選べば間違いないです。
なお、サンダルウッド、シダーウッド、サイプレスの3種はブレンドしても楽しめます(下記をご参照ください)。
【代用に】サンダルウッド・オーストラリアとは?
ポイント
サンダルウッド・インドと同じビャクダン科の近縁種から得られる精油。
サンダルウッド・インドの伐採規制が進む中、新たに注目されている。
サンダルウッド・インドと同じパワーを持ちながら安価で手軽に使える。
乾燥対策や肌を柔らかくする作用が期待できるとして化粧品原料としても人気。
サンダルウッド・インドに代わって、近年は近縁種のサンダルウッド・オーストラリア(santalum spicatum)が利用されるようになりました。
サンダルウッド・オーストラリア(santalum spicatum)はオーストラリア原産の常緑高木で、西オーストラリアの広範囲に分布。
現在はプランテーションで栽培されているようです。
香りや特徴はインド産のものとよく似ていますが、オーストラリアのほうがやや軽い印象で、甘い香りの中にほんのりとグリーン調の爽やかさも感じられます。
その香りのよさで人気を得て、乾燥肌対策や肌を柔らかくする作用を期待して美容を目的に使われることが増えているようです。
インド産と同様に深い鎮静作用があり、同じように使うことができます。
原料植物名:サンダルウッド・オーストラリア
科名:ビャクダン科
学名:Santalum spicatum(サンタルム スピカトゥム)
主な産地:オーストラリア
抽出部位:心材(しんざい)
精油製造法:水蒸気蒸留法
色:淡い黄色
主な成分:α-サンタロール、β-サンタロール、α-ビサボロール
支配星:土星
五行:脾
期待される薬理作用:鬱滞除去(うったいじょきょ)作用、強壮作用、鎮静作用
サンダルウッド・インド精油の基本情報
ポイント
サンダルウッドのプロフィール(科名、学名、原産地など)
心材(しんざい)から抽出する点に注目。
精油の概要
心を平安に導く香りです。
深い鎮静作用はあなたの意識をさらに内側へと誘ってくれます。
高ぶった気持ちをやわらげて心を落ち着かせてくれるので、瞑想やお休み前に最適。
刺激も少ないため、リラクゼーションを目的としたトリートメントにもおすすめです。
お子様がいる部屋の芳香浴にも使用でき、安心感を与えてくれます。
血液やリンパの循環を促し、優れた抗菌効果を持つことから泌尿器系や呼吸器系の感染症に対してアプローチ。
サンダルウッドに含まれる芳香成分・サンタロールは、強心作用が期待できるほか、尿路系の感染症にも効果が期待できます。
心機能を高め体液の循環を良くする作用は、つらいむくみがあるときに助けになります。
また、催淫作用があることでも知られています。
肌に対しては潤いを与え、血行を促すことで血色を良くし、肌を柔らかくする作用があります。
原料植物名:サンダルウッド・インド
科名:ビャクダン科
学名:Santalum album(サンタルム アルブム)
主な産地:インド、インドネシア、スリランカ、マレーシア
抽出部位:心材(しんざい)
精油製造法:水蒸気蒸留法
色:淡い黄色 淡黄色がかった黄色
主な成分:α-サンタロール、β-サンタロール、サンタレン、サンテノン
支配星:土星
五行:脾
【心への作用】
心を深く鎮め、穏やかに自己の気づきを促す
自分の内面を見つめたいときに。
ゆったりと深い呼吸をしたいときには吸入法を、気持ちを落ち着かせたいときには芳香浴法を試してみましょう。
寝つきが悪い時には、トリートメント法や沐浴法で取り入れてみましょう。
1.本来に立ち戻り、「今、ここ」につながることをサポートします。
望まない考えが頭から離れないとき
過去の出来事に心がとらわれていてしまうとき
不安や執着心のためになかなか前に進めないとき
過去の出来事にとらわれている心を開放し、本来にたちかえることを助けます。
2.神経の緊張や不安を和らげ、リラックス感をもたらします。
高揚より鎮静させる力が強いです。
温かく奥深い香りは、神経の緊張と不安、ストレス状態を和らげ、心と身体を心からリラックスさせる作用があります。
アロマトリートメントでは深いリラクゼーション効果が期待でき、緊張や不安が和らぐのが感じられるはずです。
3.グラウンディングに役立ちます。
グランディング(Grounding)とは
「大地(Ground)に足をつける」という意味。
身体だけでなく心理的にもしっかりとした基盤を作り、行動が現実に根差したものになるように助けてくれます。
サンダルウッドは特に、上位から下位すべてのチャクラに働きかけ、エネルギーの循環を促進、バランスを回復させる力があるとされています。
グラウンディングを文章で表現するのは難しいのですが、「気持ちを落ち着かせる力がとっても強力なんだな」という理解でよいと思います。
例えば、忙しさに気が急いてしまうことはありませんか。
いつもはしないうっかりミスが増えてしまったり、それでさらに焦って空回って失敗を重ねたり・・・。
そんな時に使ってみてほしいのが「グラウンディング」の働きをもつ精油です。
上がりすぎた気を下げて落ち着かせ、状況を冷静にみられる状態に導いてくれます。
緊張や不安が和らぎ、自然と心に穏やかさが戻ります。
なお、個人によって感じ方は違うと思います。
香りを心地よく感じてみたら使ってみて、ご自身の心身の変化を見ながら精油の理解を深めてみてください。
グラウンディングに役立つ精油としては、サンダルウッドのほかにベチバーやパチュリなどがあります。
こんなときに:緊張、興奮、不眠、精神疲労、ストレス性の心身症状、不安、イライラ など
利用方法:芳香浴法、沐浴法、トリートメント法、手作りコスメ(香水・香油)など
【体への作用】
殺菌作用とデトックス作用が健康をサポート
1.抗菌作用が感染症に対応
優れた抗菌作用があり、呼吸器や泌尿器系の感染症にアプローチします。
痰(たん)が絡んだりのどに違和感があるときは、蒸気吸入法を試してみましょう。
特に粘性の高い痰を伴うのどの不快症状に効果的だといわれています。
咳が出ているときには、蒸気が刺激になって咳を誘発してしまう可能性があるので、芳香浴法がよいでしょう。
胸部にアロマクリームを作ってのどや胸部に塗っておくと、肌から吸収できるほか体温で揮発した香り成分の吸入もできます。
また、膀胱炎などの泌尿器系のトラブルには沐浴(もくよく)法で取り入れる方法が手軽です。
蒸気吸入法や沐浴法については「【必読】知らなきゃもったいない!アロマテラピー利用法 」で詳しく解説しています。
-
アロマテラピー利用法
知らなきゃもったいない!アロマテラピー利用法 アロマって香りを焚くだけだし簡単でいいですよね。 ち ...
続きを見る
2.体液の循環を促進する作用が解毒を促す。
血液やリンパ液の体液の循環を促進する優れた作用は、殺菌作用とともに健康をサポート。
体に侵入した細菌やウィルスといった異物や、代謝で生じた老廃物が速やかに排出されるよう促します。
免疫系を刺激し、感染症に対する抵抗力を高める効果も期待できます。
3.催淫(さいいん)作用が性的な不調に役に立ちます。
幸福感や満ち足りた感情を抱かせ、背景にある心的な要因を軽減してくれるようです。
男女ともに有益とされています。
こんなときに:のどの痛み、咳、膀胱炎、冷え性、性的な問題、ストレス性の心身症状、気管支炎 など
利用方法:芳香浴法、吸入法、沐浴法、トリートメント法 など
【肌への作用】
肌の潤いを保ち柔らかく整える
高い保湿力があり、乾燥性の湿疹や乾燥肌に最適です。
皮膚を柔らかくする働きもあり小じわの改善が見込めるため、衰えの気になる肌やネックケアにもお勧めです。
ローズ・オットーとブレンドすると肌の弾力を高める効果もプラスされ、アンチエイジングに最適です。
こんなときに:ニキビ、乾燥肌、トラブル肌、ひび割れ、アトピー など。
利用方法:フェイシャルスチーム、トリートメント法、手作りコスメ など。
落ち込み(うつ)によくないといわれるのはなぜ?
サンダルウッドは、うつ状態のときに使うとかえって気持ちが乱れてより落ちこむことがあるため避けるべきとされています。
「サンダルウッドは落ち込みは使えないと聞いたけど、どうして?」
私も同様に疑問に思い、その理由を調べてみたのですが、はっきりとしたメカニズムや根拠は見つけられませんでした。
しかしながら、これは多くの書籍で書かれているとおりセラピストの経験でもって得られた見解だと思うので、参考にしたいところです。
「じゃあ、ちょっと気分が落ちてるんだけど、リラックス目的でサンダルウッドを使うのはよくないのかな?」
落ち込みにも程度がありますし、個人が持つ感受性や体調によって精油に対する反応も違ってくるので判断が難しいですよね。
ただ、そういう時には「香りを心地よく感じるか」が目安になります。
「心地よく感じる=体が欲している」ということ。
「なんか今この香り好きになれないかも・・・」と思ったら、使用は控えましょう。
なお、
「ちょっと気持ちは落ちてるんだけど、サンダルウッドの香りは悪くはないかも。」
そんな時には、サンダルウッド少量にして花の香りや柑橘系とブレンドしてみてください。
ちなみに、私自身がサンダルウッドを使用し行ったトリートメントで、落ち込みがひどくなったという症例はありません。
しかしながら、芳香浴であっても、心がデリケートな状態の時には無理はしないようにしましょう。
「大丈夫かな?」という心配が心の負担になるくらいなら使用は控えて。
他に心地よく感じる香りを探してみましょう。
元気になって、サンダルウッドの香りが心地よく感じられるようになったらぜひ試してみてください♪
サンダルウッドにはフェロモン効果がある?
男性のわきの下の汗には「アンドロスタノール」という成分が含まれています。
実はこのアンドロスタノール、ごく低濃度だとサンダルウッドに似た香りなのだとか。
アメリカのケンタッキー大学の研究では「アンドロスタノールを吹きつけた男性の写真に、女性がより好感をもった」「イスに吹きつけると、女性は他のイスより吹きつけた椅子を選んだ」などと発表されている。
また、催淫作用に関する説明と重複しますが、
幸福感や満ち足りた感情を抱かせる
→背景にある心的な要因を軽減する
という働きかけは、性に関する悩みにアプローチしてくれます。
芳香浴や香水で香りを取り入れる(嗅覚からの経路)のは、とても安全性の高い方法。
気になる方はお試しあれ♪
なお、香水には特に表記がない限り、人工香料等が含まれています。
アロマテラピー効果は精油に期待できるものですので、サンダルウッドを試してみたい場合は精油を使用することをおすすめします。
香水に関しては「香水を教えて!イランイランの香りに病みつき☆【アロマテラピーの作用は期待できる?】」でも解説しています。
-
-
イランイランの香り
香水を教えて!イランイランの香りに病みつき☆ イランイランの香りってまだなじみません。 イランイラ ...
続きを見る
サンダルウッドを使ったアロマレシピ(芳香浴)を下記にご紹介します。
香油の作り方については「ロールオンアロマで憧れの女性に近づく♪【作り方とおすすめの理由】 」で紹介しています。
-
-
ロールオンアロマの作り方とおすすめの理由
ロールオンアロマで憧れの女性に近づく♪ 【作り方とおすすめの理由】 新しい年、新しい自分をめざしてみたくて。 私 ...
続きを見る
【ブレンドのコツ】
時間とともに熟成しまろやかな香りに
時間とともに香りが熟成し、柔らかく変化するのがサンダルウッドの特徴です。
他の精油の揮発(きはつ)をおさえる作用があるため、香りの保留剤として利用できます。
花やスパイスなどの甘みのある香りを強調させ、ブレンドに奥行きや深みを加えます。
また、香りがなじみやすいためベースノートとしては多少多めの調合も可能です。
しかし、サンダルウッドは粘性が高いため、入れすぎるとトップノートまで拡散しにくくなってしまうことも。
そのような特性を考慮して滴数を加減しましょう。
Instagramでは私が日々使っているブレンド例を紹介していますのでご参照ください。
この投稿をInstagramで見る
サンダルウッドに期待される主な作用
鬱滞除去(うったいじょきょ)作用
強心作用
強壮作用
去痰作用
駆風(くふう)作用
血行促進作用
抗ウィルス作用
抗炎症作用
抗菌作用
抗真菌作用
催淫(さいいん)作用
収斂(しゅうれん)作用
消炎作用
鎮咳(ちんがい)作用
鎮痙(ちんけい)作用
鎮静作用
皮膚軟化(ひふなんか)作用
ホルモン様作用
利尿(りにょう)作用
他
薬理作用について詳しくは「【保存版】精油に期待できる薬理作用一覧」にて解説しています。
-
-
【保存版】精油に期待できる薬理作用一覧
精油の薬理作用 芳香植物は、魅力的な香りで私たちをひきつけます。 各植物の個性の一つである精油は、植物がその種の生き残りをかけて作り出した物 ...
続きを見る
【必読】アロマテラピーのルール
アロマテラピーを行うにあたっては下記を守りましょう。
アロマテラピーのルール
原液を皮膚につけないようにしましょう。
精油を飲用しないようにしましょう。
精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
火気に注意しましょう。
子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
定期的に使用状況をチェックしましょう。
また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。
-
-
アロマテラピーのルール(精油を安全に活用するために)
アロマテラピーのルール~精油を安全に活用ために~ 精油は、植物から抽出した天然の物質だからと言って100%安全だというわけではありません。 ...
続きを見る
サンダルウッドを使用する際に気をつけること
妊娠中の使用は控えましょう。
香りが抜けにくいので、衣服につかないよう気をつけましょう。
心がふさいでいるときには単品での使用を控えるか、ブレンドして使用することをお勧めします。
サンダルウッドが購入できるアロマブランドは?
【レビューと補足】
生活の木のサンダルウッドはインド産
私は現在、生活の木のサンダルウッドを使用しています。
商品レビューを見て気になった「香りが薄い」と「粘性」の2点について補足したいと思います。
早速説明していきますね。
1.「香りが薄い」と感じるのは揮発性が低いサンダルウッドの特性かも。
サンダルウッドはとても揮発性が低い精油。
揮発性が低いということは、香りを感じるまでに時間がかかるということですね。
例えば、柑橘系のレモンやハーブ系のペパーミントは、分子量の小さい芳香成分が多いために開けた途端にぱっと香ります。
しかしながら、揮発が早い分、香りが飛んでしまい、長く楽しむことはできません。
一方、サンダルウッドは揮発性が低い精油。
開けた途端、ぱっと香りが広がるレモンやペパーミントとは異なり、香り立ちはとっても静か。
ゆっくりしっとり香っていくのがサンダルウッドの特徴です。
その分、香りの持続性はとても高く、レモンやペパーミントといったすぐ拡散し消えてしまう香りを、ゆっくり持続的に楽しめるよう香りの保留剤としての役割を担ってくれます。
甘い香りの余韻がなんとも奥ゆかしく感じられて、私は大好きです。
2.粘性が強い精油なので手で温めたりスポイトを活用して対応。
「全然精油が出てこない!不良品なの?」
私も同じことを考え、スクールの先生に質問したことがあるので不審に思うのもよくわかります。
精油によっては粘性の高いものがあり、サンダルウッドもその一つ。
粘性が高い精油はドロッパーに届くまでに時間がかかるため、傾けてもすぐには出てこないのです。
また、オーストラリア産に比べるとインド産のほうが粘性が高いとか。
そのため、生活の木のサンダルウッドは特に垂らしにくいように感じるかもしれません。
対策としては下記の2つを提案します。
1.精油瓶を手のひらで包むように持ち温めて粘性を緩める。
2.ドロッパーを外し、スポイトを使って取り出す。
そこで、次にこたつに3分ほど入れて温めてから試すと10秒かかりませんでした。
なお、過度の熱は劣化につながるため慎重にお試しくださいね。
「いちいち温めるのも面倒」というときには下記の方法があります。
芳香浴で使用したい場合は無水エタノールで希釈すると扱いやすくなります。
消毒用エタノールだと水と精油が分離してしまいます。
保存の観点からも精油の希釈には無水エタノールを選びましょう。
その他の使用方法(沐浴法やトリートメント法など)では、使用に適した滴数を守る必要があります。
精油の濃度を正確に図るために、専用のスポイトを使用しましょう。
ミニスポイトだと1滴=約0.025mlです。
ドロッパーは1滴=0.05ml(メーカーにより0.04ml)で作られているので、ドロッパー1滴=ミニスポイト2滴で計算できます。
精油をしっかり除去できるので、他の精油に使用する際も香りを移してしまう心配がありません。
生活の木の検定キットにはミニスポイトが付属していますので、お持ちの方はご活用くださいね。
プラナロム、フロリハナのサンダルウッドはニューカレドニア産
プラナロムの精油もセラピストの勉強中から使ってきました。
フロリハナは最近気に入っているブランドです。
いずれも産地はニューカレドニアとなっていますが、学名はサンダルウッド・オーストラリア(Santalum spicatum)ではありません。
フロリハナの学名はSantalum Albumです。
いずれもサンダルウッド・インドの代用は可能かと思いますが、香りや芳香成分には多少の違いがあるはずなので香りを試してみた方が失敗がありません。
なお、上記3社(生活の木、プラナロム、フロリハナ)は公式サイトから精油の成分分析表を確認できます。
そういう時には成分分析表を確認することで、どんな使い方ができるかわかりますよ。
下記よりそれぞれの公式サイト(外部リンク)をご覧いただけます。
遷移先のページ「商品情報」タブの「成分表をみる」を選択すると表示されます。
画像(ケモタイプ精油成分分析表)をクリックすると拡大できます。
遷移先のページ「成分分析表」の「クリックで表示」より確認できます(フロリハナの成分分析表は英語表記です)。
【参考】サンダルウッドを使用したブレンドエッセンシャルオイル
生活の木で季節限定で発売される「ブレンドエッセンシャルオイル リンデンブロッサム」。
まだ香りのテスティングはできていないのですが、ブレンドされている精油名を見ると私好みでは?とときめいてます。
「どこか懐かしく心がほぐれていく感じ」、「どんなときにも癒される」など、レビューでも好評のようです。
シャキッとしたいときには澄んだ空気をイメージさせる「凛」、柔らかいラベンダー系の香りで心に調和を取り戻したいときには「ハーモニー」もよさそうです。
瞑想やヨガに使いたいときには、サンダルウッドにフランキンセンス、ベチバーがブレンドされた「メディテーション」を。
自分と向き合う静かで穏やかなひとときにぴったりです。
おわりに サンダルウッドの魅力
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は、私がサンダルウッドを検討する目安から、サンダルウッド精油の基本知識、心身にもたらす影響やそのほかさまざまな疑問について解説してみました。
今回の記事がお役に立てれば幸いです。
次におすすめの記事はこちら
グラウンディングの働きを持つ精油にベチバー、パチュリがあります。
-
-
ベチバー精油の香りと作用・おすすめの使い方
ベチバー(Vetiver)精油の香りと作用 おすすめの使い方 ベチバーってあまりなじみがなくって、調べてみたんで ...
続きを見る
-
-
エキゾチックで甘い香りが深いリラクゼーションへ導くパチュリ
パチュリ(Patchouli) [toc] パチュリのデータ詳細 原料植物名:パチュリ 科名:シソ科 学名: P ...
続きを見る
催淫作用を持つ精油としては、イランイラン、ローズ、ジャスミン、ジャスミン・サンバックなどが挙げられます。
-
-
イランイランの効果とは【恋する気持ちを目覚めさせるエキゾチックな香り】
イランイラン(Ylang ylang) 不安から心を解き放ち、 恋する気持ちを目覚めさせる甘く官能的な香り イラ ...
続きを見る
-
-
香りの女王・ローズ精油
ローズ(Rose)の香りと作用 おすすめの使い方 ローズは女性の一生をサポートしてくれる心強いサポーター。 「ロ ...
続きを見る
-
-
「香りの王様」ジャスミンの甘美で魅力的な香り
ジャスミン(Jasmine)に期待できる作用と おすすめの使い方 仕事の失敗や失恋…。 ときには、落ち込むことだ ...
続きを見る
-
-
ジャスミン・サンバックの香り
ジャスミン・サンバックの香りと働き ジャスミンの精油といえば、一般的にはJasminum grandifloru ...
続きを見る
精油は体と心に働きかける力をもっています。
しかしながら、「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」ではありません。
香りを楽しみながら、健康維持・増進、美容を目的にアロマテラピーを取り入れてみてください。
心身の状態が悪い時には速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。